あれはチョーキット市場にマンゴーを買いに行った時です。「何これ、わらび?」、という野菜が売られているのに気づきました。野菜売り場で売られているので当然食用でしょう。マレーシアにも「わらび」があるのか? 食べてみたい。
でも一時帰国の直前だったので、この時は購入を断念。マレーシアに戻った後、ダトゥ・カラマッのローカル市場に行ったら、ここでも売っていたので購入。一束約350gで3リンギッツト(約90円)。
名前を聞いたら売り子のおばちゃんと居合わせた客が、口をそろえて「バクー、バクー」と教えてくれました。
未知の野菜を見つけた場合に活躍するのがこの本。ほとんどの本は電子化してしまいましたが、本の状態のままマレーシアに持参した数少ない書籍です。
250近くの東南アジアの野菜・食用植物を紹介しているので、たいがいの物は載っているはず。『魚貝篇』もあります。
市場では「バクー」と聞き取れたがマレーシア名はPaku Pakis (パク・パキス)と言うようです。台湾では過猫、中国では菜蕨、フィリピンではパコ、タイではパッ・クードと呼ばれているみたい。日本でも九州・沖縄で食べる地域もあるとか。
クワレシダは和名で漢字では「喰われ羊歯」と書き、食べられるシダという意味。わらびではありませんが、同じシダ植物なので親戚ですね。これはいけるかも。
東南アジアで生活、自炊もする方には必携の本です。書籍版はもう無いようですが、電子書籍は購入できます。魚貝篇もありますが、植物篇ほどは使えません(写真1枚では魚は特定しにくいのと味・調理法までは書いていない)。
パク・パキス(マレーシアわらび)の調理と実食です
アクはほとんどないというが、少しゆでて試食するとわずかにあります。せっかくなので日本から持参したこれを使いましょう。
一時帰国した時、東北はちょうどわらびのシーズン。実家でもらい物のわらびをアク抜きしていたのでアク抜き剤を1袋もらってきました。
アク抜き剤を入れた熱湯にパク・パキスを入れて一晩おくだけです。一晩でかなり水に色がつきました。アクが出ているということかな。食べてみるとクセが全然無くなり、歯ごたえと特有のヌメリ感だけが残ります、成功!
でも、もともとサラダにできるくらいアクは少ないので、アク抜き剤無し、熱湯だけでも問題なく食べられるようになりそうです。
ただ熱湯に漬けても固い部分は食べられる柔らかさにはなりませんでした。1本1本確かめて固い部分は除きます。元は350gありましたが、食べられるのは230gほど。
あとは好みに薄めた麺つゆをかけて、鰹節を散らすだけ。食べてみると限りなくわらびに近い、日本の味になりました。
パキ・パキスはマレー系のナシ・チャンプル店のオカズにもなっているのに最近気づきました。季節でなかったのか、パキ・パキスを知らなかったので気づかなかったのか?
でもトウガラシや香辛料スープで煮込まれたそれは、繊細な歯ごたえやヌメリ感は消滅しており、わらび料理とは言えませんね。
パク・パキスはマレー系のローカル市場だと1束200g~300g、2~3リンギット(約¥60~¥90・2023年6月の価格・レートで計算)で買えます。
ただスーパーマーケットではあまり見ません。唯一見たのがちょっとローカルなスーパーNSKで、200gほどの束が4リンギット(約¥120)でした。チョーキット市場なら確実にありそうですが、いつもある品なのか季節物なのかはまだ未確認。
リーズナブルに日本(的)な味が再現できる優れ物。ちなみに熱湯処理後は冷凍保存も可能です。
今年の1/17に撮影したパク・パキスの画像が出てきました。こんな写真を撮ったの忘れていた。
1月でも7月でも市場で見かける、ということは通年ある野菜なのかな。ただ肥料や農薬と相性が悪く、栽培には向かないということなので分類は山菜ですね。
コメント