マレーシアの屋台で売られている美味しい物のひとつがチェンパダ・ゴレン(Cempedak Goreng)。ジャック・フルーツに似たチェンパダの実に衣をつけて揚げた物です。生のチェンパダ(Cempedak)の実も甘くて美味しいと聞いていましたが、各種フルーツのそろうチョーキット市場にもありませんでした。
7月になってチョーキット市場で見つけたので丸ごと1つ買って実食。可食部であるタネも食べてみました。
※ マレー語の単語で語尾が K で終わるものは、そのまま発音せずカタカナの小さな「ッ」がつくような発音になります。よって Cempedak は「チェンパダク」ではなく「チェンパダッ」となります。日本語の発音で最後の小さな「ッ」は事実上発声できないので「チェンパダ」と表記します。
これがチェンパダ・ゴレンです
甘味と香りが強いチェンパダの実ですが、揚げることでこれが一段と強調されます。とても美味しいので屋台が出ていれば必ず買いますが、どう見てもカロリー高そうなので5リンギット(¥150)分だけ。大きさによりますが6~8ヶほど。
チエンパダとジャック・フルーツの違いは何?
チェンパダ と ジャックフルーツ の違いを比べてみますと
- 大きさ : 20~40cm / 50~70cm、1m近い物もある「世界最大のフルーツ」
- 表皮 : 突起が無いか小さい、ベトベトしている / 突起がある
- 食感 : 繊維はあるが柔らかいネットリ系 / 柔らかいプラスチック?独特な食感、実が裂ける
- 味・香 : 甘味・香り共に強い / 味・香り共に穏やか
- 販売形態 : 1ヶごとの計り売り / 取り出した実をパック売り
味・食感・香りは全然違います。チェンパダの実は繊維は感じるものの柔らかくてネットリ系。味は甘味が強く、香りはフローラルでドリアンを思わせるものがあります。
ドリアン好きの人には向きますし、嫌いな人にも受け入れられるレベルです。
何より後をひく味と香り。ああ、これを書いているとまた食べたくなる。
ちなみにジャックフルーツ(英語名)のマレー語名はナンカ(Nangka)、漢字名・和名は波羅蜜(パラミツ)です。チェンパダの和名はコパラミツ、漢字だと小波羅蜜なのかな?
まあ、どちらもクワ科パンノキ属の親戚ですからね。でもフルーツとしては全然別の物です。
果物は木の「枝」に花が咲いて実となりますが、ジャックフルーツやチェンパダは大きいので、木の「幹」に花がさいて実ができます。
このような花を幹生花(かんせいか)、それでできる果実を幹生果(かんせいか)と呼びます。ドリアン、カカオ、パンノキ、パパイヤなどがそうです。
Honey Jack Fruit が売られていたら一度買ってみてください。熟れ具合その他にもよりますが、味・香りともに普通のジャックフルーツを上回る美味しさです。もちろんお値段も上回っていますが試す価値あり。
チェンパダを捌いてみました
よく熟れたチェンパダは皮が柔らかくなっているので解体は簡単。問題は表皮の分泌物がマツヤニのようにベトベトであること。手につくと石鹸を使っても落ちにくいのが難。気になる方はビニール手袋など用意されるのが良いかと。
チョーキット市場で単価 10リンギット/Kg 。約1.5Kg あったのでちょうど15リンギット(約¥450、2023年7月の価格・レートで計算)でした。
実は45ヶありまして、重さ750g。ちょうど実1ヶが¥10 ですね。
生のチェンパダを食べるのは初めてでしたが、文句なしに美味。柔らかくて糖度が高く、ドリアンにも似た香りが後をひきます。とまらない! 小さめとはいえ丸ごと1ヶ買うのは多いかな、と思っていましたが、2人で1日かからず完食です。まあ、1ヶ1.5Kgとはいえ皮・タネを除くと果肉は450g程度ですから。
果肉だけ取り出してあげ焼きし、チェンパダ・ゴレンもどきを作ってみました。そんなに美味しくなりません。油との相性が良いのでデープフライじゃないとダメかな。
タネを食べてみました
チェンパダ、ジャックフルーツ共に実の中に重量10gほどのタネ(種子)が入っており食用可能。固い殻に包まれてはいないのでナッツには分類できませんが、限りなく近い感じ。
ナッツは栗などのデンプン質の物とクルミなど脂質が多い物に分かれますが、チェンパダ、ジャックフルーツは前者。十分加熱すればデンプンがアルファ化して食べられます。
約300gほどのタネが出たので加熱して食べてみました。加熱方法はオーブンで焼く方法と茹でる方法。半分づつやってみます。
食べた結果、焼くのも煮るのも両方アリです。残念だったのが栗のようなホクホク感を期待していたのですが、そんな食感はありませんでした。加熱時間にもよるかも。
味・香りは無味無臭でごく淡泊な食味。サラダに入れたり、付け合わせにしたりできそうです。
外側のやや硬い皮はすぐ剥けます。内側の茶色い薄皮はそのまま食べて問題なしでした。
チェンパダとジャックフルーツのタネに味の違いはありませんでした。両方淡泊な味でクセが無く、なんとなく時々つまんでみんな食べてしまいます。
トラタロウ的には茹でた物のほうが好きかな。
チェンパダは6月下旬ごろ街頭で売っているのを見かけました。7月に入ると市場やスーパーでも時々見かけました。8月にはどこのスーパーにもあるようです。
価格はチョーキット市場で8~10RM/Kg、スーパーで14~16RM/Kgぐらいでした。入荷状況その他で多少動するでしょうが今が旬なのかな?
1ヶ買うと多いようですが重量の6~7割は皮・タネなので可食部はわずか。なによりその美味しさにはまるとペロリと食べてしまいますので試してください。
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