トラタロウは2013年にマレーシアに長期滞在できるMM2Hビザを取得しました。退職してクアラルンプールに住むようになったのは2022年12月からで、早くも翌年末にはビザの期限が切れるため更新が必要になりました。
取得の時はエージェントを通さず、自前で行いましたが提出と受取で2回マレーシアに来ただけで無事取得完了。今はクアラルンプールに住んでいるのでさらに問題なし、と思っていたら色々あって問題続出。多大な労力と余分なお金を費やす大仕事になりました。
この顛末を3回にまとめてみる予定です。
①提出書類を集めます ②必要書類が足りません ➂なかなか許可が下りません
というサブタイトルです。
更新に必要な書類をチェックします
以前は観光芸術文化省がMM2Hを扱っていましたが2023年9月の時点では
入国管理局本部 (Malaysian Immigration Headquarters/Jabatan Imigresen Malaysia)
の管轄でした(12月18日に観光芸術文化省にまた戻ります)。
更新申請に必要な書類を確認するため入国管理局本部 のHPを開きます。
MALAYSIA MY SECOND HOME (MM2H) に移動します
いくつもの例がのっていますが、トラタロウが該当するのは5番目の FIXED DEPOSIT を条件にしたビザです。その更新に必要な書類は以下の通りでした。
2,3,4,8番目が自分で書く、またはコピーします
2番目:インテンション・レター
Q、Intention Letter とは何?
A、Intention は意図、目的、ねらいなので「何をしてほしいのか」を書くだけです。きまった様式はありません。
トラタロウが書いたのは以下の内容
① 〇〇年にMM2Hをとりました。
② ビザの期限が2023年12月22日です。
➂ 自分と配偶者のMM2Hビザの更新(Renew)をしてください。
④ 昨年12月からクアラルンプールに住んでいます(別に無くてもよい)
⑤ パスポートNo、MM2HビザNo、住所、氏名、サイン、日付
これを中学生レベルの英語で書いただけです。
ちなみに10年前は「自分がいかにマレーシアに住みたいか」をアピールしました。怪しい英語力の作文なので、当時仲の良かったALT(ネイティブ英語講師)に添削をたのみます。
彼女はトリニダット・ドバコなるマイナーな旧英植民地国の生まれながら、ケンブリッジ大学を卒業した才媛です。トラタロウの小学生低学年並みの作文は、ほとんど原型を留めぬくらい直され、恐ろしく格調の高い美文に変身していました。
まあインテンション・レターの文がしょぼくて、MM2H 審査に落ちたという話は聞きませんので、「何をしてほしいか」がしっかり書いてあれば問題ないと思います。
3番目:パスポートのコピー
申請者と配偶者のパスポート(MM2Hビザ・シールが貼られているすべてのパスポート)の顔写真ページとMM2Hビザのページおよび最新のマレーシア入国スタンプが押されているページが必要。※古いパスポートも保管しておく必要あり
4番目:申請者の情報
HPからIMM55を印刷して申請者全員分書きます。英語の部分のみでOK。
8番目:APPROVAL LETTER のコピーと原本
この「承認書」は更新、延長、銀行などで必要ですので大事に保管です。
残りのメディカル・フォーム、銀行関係、保険関係は自分では作れませんので関係機関を回ります。
メディカル・フォームにサインが欲しい
メディカル・フォーム は入国管理局本部のHPから印刷できます。
MEDICAL REPORT FOR MALAYSIA MY SECOND HOME PROGRAMME という名称。
メディカル・レポートというと健康診断が必要? と思ってしまいますが、実はこれ自己申告制。現地のドクターが問診をして、その申告で間違いが無いと判断すればサインをしてくれます。健康診断はいりません!
氏名、性別、パスポートNO等を記入し、以下の病気の有無を申告します。
該当する病気が無ければNoにチェック。ある場合は詳細を記入します。
続いて五感の申告。問題が無ければFunctioning(機能する)にチェック。上の病気のチェック欄と逆になるので注意。
ではどこの病院のドクターがサインをしてくれるか。取り扱ってくれるマレーシアの病院ならどこでもOKです。
2013年に初めてMM2Hビザを取得した時はブキビンタンにあるモール、スンガイワンにあったDr Goh(呉)の診療所で、30リンギッで出してもらいました。
スンガイワンに行ってみましたが、診療所は無くなっていました。隣の店に聞くと数年前に引退したらしい。だいぶ高齢のドクターでしたからしかたないですね。
行きやすい鉄道駅周辺の診療所をグーグルマップでチェックし、飛び込みで探してみます。
1軒目、インド系診療所80リンギッ。2軒目、華人系診療所120リンギッ、3軒目、マレー系診療所は取り扱い無し。
マレーシアの病院は基本自由診療制なので料金も診療所によって異なるのです。
※ 日本でも実は区分があるのですが、大きな病院は Hospital、個人病院みたいな小さなところは Clinic (診療所)です。日本ではベット数20床で病院と診療所に区分されていますが、普通は全部病院と呼んでいますね。
LRT駅 BANDARAYA はデパートSOGOに隣接する便利な駅。SOGOから2ブロック北側、徒歩3分で着くのが MEDAN MARA という商業施設。ここで手ごろな診療所を発見しました。
KTM(マレー鉄道)のBANK NEGARA 駅からも行けますし、GOKL・04ブルーラインもMEDAN MARA 前に停まるという交通便利な場所です。
Klinik Pertama Medan Mara という診療所で西側の入口から入り、エスカレーターで1Fに上った所にあります。
受付でMM2Hのメディカル・レポートをやってもらえるかを聞くと、本院?に問い合わせてくれてOK、料金40リンギッとのこと。
どこでやっても良いのでリーズナブルな料金のここでお願いしました。
ドクターはマレー系の女性、血圧測定と簡単な問診で5分ほどで終了。
レポートの「彼/彼女はいかなる病気にも悩まされておらず健康です」欄にチェック、サイン、診療所名をもらいました。
銀行関係はHSBCに丸投げです
多くのMM2Hの条件のひとつが銀行のビザ用定期預金。多くのMM2Hホルダーが使っているのがHSBCかな?
銀行も慣れているのでメールで書類をお願いし、後日取りに行くだけでした。ビザ取得用の定期預金がしっかり維持されていれば問題はありません。
医療保険は最低限で
医療保険の加入も条件のひとつですが、なぜか申請時の1年間分だけでOK。もらうときの条件が厳しくて、医療保険としての実用性は怪しいのが「メデック・プラス」という東京海上の保険。10年前はこれですませました。
ネットで見ると、まだ商品としてありそうなので、ブキビンタンの東京海上へ行きました。
日系保険会社ですが、日本語対応サービスはもうしていないとか。でも日本語ができる華人系マレーシア人がいて説明してくれました。
まあ、英語対応でも「メデック・プラス」でよいのなら、料金表の年齢該当部分を指さすだけでOKです。
申し込んでから証書をもらうのに1週間以上かかったのが誤算でした。急ぐ方はメールで要相談ですね。
9月半ばから書類の準備を始めて10月半ばに完了。当初の予定より遅くなりましたが、申請からAPPROVAL LETTER 発行までおおむね30日らしい。ビザ期限の2ヶ月以上前なら大丈夫でしょうと考えていたら、とんでもない事になりました。
※ MM2Hビザを更新してみた②必要書類が足りません に続きます。
コメント
コメント一覧 (4件)
とても参考になりました。続編も楽しみにしております。
もしご存じであれば教えてください。
パスポート期限の関係で10年のうち9年分のステッカーが貼られています。その場合、残り1年分の延長後に再度5年のリニューアル更新手続きというかたちになるのでしょうか?
延長とリニューアル更新を一緒にはできないのであれば、同じ年にそれぞれ手続きしにいかないといけないんですよね(泣)
あともう一つ、東京海上の保険について59歳の加入には健康診断が必要だという噂をきいたのですがご存じですか?もしそうであれば58歳のうちに加入しておこうと考えています。
保険加入は60歳以下が必須で、5年更新申請時に加入期間であれば問題ないですよね?
どうぞよろしくお願いします。
招き猫様
メールをありがとうございます。順番としてはやはりパスポート取得→延長→更新になります。現在KL以外のマレーシアか他の国にお住まいですか?それなら一回で延長・申請をすませたいですよね。さまざまな条件によって変わるので正確かどうかの自信はありませんが、可能かもしれません。
前提として ・10年分のビザは保証されているので、9年分のシールの日付をオーバーしても延長はできる。・パスポートは期限の1年未満から申請できる。・延長手続きは1日で可能(当ブログのカテゴリー移住をご覧ください)。・更新の申請は3ヶ月前という情報が多いが、実際はもっと前からできる(11ヶ月前から申請したブログ記事がありました)。という情報があります。
パスポート更新を早めに行い、早めにプトラジャヤの観光省に行って1日で延長手続きします。その日に更新申請書類が出せるかは窓口と相談ですが、悪くとも翌日には申請はできると思います。延長と申請は同じ時に可能かと思いますが、受理されてビザ受取は数か月後になるので2回いくのはしかたがないですね。
東京海上の保険はメール(日本語でも大丈夫かな)して問い合わせができるのでは。「メデック・プラス」なら健康診断はいらないような気はします。へたをすれば保険料より健康診断の方が高くつきそう。
59歳以下であれば保険加入は必須ですが、申請時の1年間だけでOKです。
それから次回書きますが、配偶者・家族がご一緒なら更新には家族関係の証明書が必要です。
トラタロウが知るかぎりの情報は書きましたが、間違い・勘違いもあるかもしれませんので、他の情報ソースも当たってみてください。こちらは2/7に更新できましたが11回プトラジャヤに通い、余分なお金も使ってしまいました。また事の顛末をお読みください。
トラタロウ
こんにちは
71歳 主婦です。 楽しく拝読させて頂てます
MM2Hビザを解消して預金を日本に送るた書類を揃えていますが 20年近く前ビザを取得した時の苦労がよみがえってきて、解約ができるか不安です。さりとて日本の会社に依頼するのも気がすすみません
なにかアドバイスいただけますか?
菅野様
読んでいただきありがとうございます。
MM2Hビザ解約とのことですが、トラタロウは未経験なのであまりアドバイスはできません。
ただネットで体験者の記録、業者の案内等多方面からの情報を読み込むと最善の方法が分かると思います。
それから日本に帰る場合もMM2Hビザを解約しない、という選択もあるのでは?
我々旧条件のMM2Hの保持者は、実際にマレーシアに住まなくてもビザと銀行口座を維持できます。
トラタロウの場合ビザ保持の条件として15万リンギッを銀行に預けて利子2.65%なので、年に邦貨10万円以上の利子収入。
ビザ代が年500リンギッかかっても利子収入の方が上です。実際にはもっと預けているのでかなりの利子収入です。
5年ごとのビザ更新がめんどうですが、高い利子収入は魅力です。
ただし日本に居住すると利子収入の2割の税がかかります(マレーシアに住んでいると無税ですが)。
いろいろご都合があると思いますが、こんな選択肢もあるということです。
あとご存じでしょうが、在日マレーシア大使館に行けば日本からでもMM2Hビザ解約はできるそうです。
トラタロウ