3月上旬からベトナムに出かけ、3/26にクアラルンプールに戻りましたらラマダン(イスラム教の断食月)真っ只中になっておりました。トラタロウはマレー系住民御用達の繁華街近くに住んでいますので、ラマダン後期は毎日お祭りのような雰囲気です。
クアラルンプールのラマダンの様子をレポートしてみました。
ラマダン(RAMADAN)とは何かな?
ラマダン=断食という感じですが、正確には断食はサウム(Saum)と言います。
ラマダンはイスラム暦の第9月で、この月に断食を行うのでラマダン=断食というイメージになった訳です。
ラマダン関係基礎知識を箇条書きしてみました。
・イスラム暦(ヒジュラ暦・Hijra)とはイスラム教のカレンダーで、宗教関係行事は現在もこれが使われます(日常生活は西暦を使用)。
・イスラム暦は西暦622年7/15、迫害された預言者ムハンマドがマッカ(英語はメッカ)からマディーナ(英語でメディナ)に移住した事件を起源とします。この時以降イスラムの教義が確立される重要事件でヒジュラ(聖遷)と呼ばれます。
・イスラム暦は月の運行を基準とする太陰暦で、1年354日。閏年で調節はしますが、西暦から見ると年に11日ずれていきます。トラタロウがMM2Hビザを取得した2013年は7月~8月がラマダンで、断食明けの休日直前に書類を提出した記憶があります。
・断食の目的は苦行を通じて信仰心を高め、同じ苦行を行うムスリムの結束を強めることだそうです。ラマダン期間中に喜捨(ザカート・貧しい者への寄付)などが普段よりも行われます。
ただ情勢によってはムスリムがらみのテロ活動も盛んになる傾向があるとか。外務省海外安全ホームページから警告メールきてました。
・断食は30日間、日の出から日没まで行われます。近くにモスクがあると開始・終了の合図が聞けます。今ではスマホでチェックできそうですね。
断食表の左端 Imsak が断食開始時間で6:00ちょっと前。終了は日没を意味するMaghribで夜7:25前後。
これらの時間はかなり厳密に天体観測され決まります。世界中で異なりますし、マレーシア国内でも数分違うとか。
・断食時間中は飲食一切禁止、水はもちろんタバコもダメです。「ツバを飲み込むのもいけない」という人もいるとか。
ラマダン期間中ムスリム、ムスリマ(女性)は早起きして飲食し日中は耐えます。暑いマレーシアで水禁止はつらいなあ。
子供は当然断食などできません。長じるにしたがって少しずつ参加していくとか。
病人・妊婦さんも免除または延期がOK。
旅行中、災害時、戦争時も免除されます。ラマダンになると旅行に出かけるムスリムもいるという話を聞きますね。
ラマダン中の飲食店は ?
普段のKLは未明から飲食店が開き、仕事へ行く途中の勤め人が朝食を食べたり、お弁当を買ったりしています。
でもラマダン時期はマレー系の飲食店はかなりがお休み。逆にインド系飲食店が繁盛していました。
午後になるとお持ち帰り専門のお弁当・おかず屋が開きます。普段見かけない店は日中に閉めていたマレー系飲食店の人が出しているのかな?
夕方になるとKLのあちらこちらにお持ち帰り専用の屋台街・ラマダンバザールが出現。その場では食べられませんがムスリムの皆さんが嬉しそうに買っていきます。
ラマダンバザールの様子はこちらをご覧ください
2023ラマダン・バザールに行ってみた①カンポン・バル編
2024 TTDI のラマダンバザールに行ってみた
もうすぐ本日の断食終了
飲食解禁時間が迫る時刻、とあるマレー系高級民族衣装店の裏口です。従業員にお弁当が支給されていました。店も一時閉めるようですが、営業は深夜まで続きます。
周辺の飲食店には客がつめかけ注文の品がテーブルに並びます。でも誰も食べていません。断食終了の合図が出るまでおあずけ状態でした。
この時期多くのホテルでラマダン・ビュツフェが開催されます。ここでも料理を取ってから断食終了の合図待ちです。
真夜中までお祭り気分は続くのです
夕方から繁華街の周辺にはテント店がオープン。平日だというのにマレー系住民が続々とつめかけお祭り状態です。
ラマダン・断食月というとお堅い宗教行事のイメージですが、夜になると様変わり。昼間飲食禁止で耐えていたうっぷんを晴らすように、沢山食べて買って深夜まで遊びまくっていました。
他のイスラム教国は分かりませんが、根が明るいマレーシア人はラマダンをもお祭りにしてしまっているようです。
明日で2024年のラマダンも終了、ハリラヤ・プアサとなります。今晩・明晩はものすごい花火大会になると予想。トラタロウ眠れるかな?
昨年のラマダンの様子はこちらをご覧ください
2023 ラマダン と ハリラヤ を感じてみた①ラマダン・断食編
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