20回目となる MIHAS ( Malaysia International Halal Showcase )はイスラム教徒が飲食できるハラール食品に関する見本展示・商談・シンポジウムなどを目的とした催し。今年は 9/17~9/20 に開かれ、基本その道のプロしか入れませんが最終日のみ一般公開されています。
昨年は3万8千人以上が来場、世界44ヶ国から1040社が参加。参加企業のかなりが自社製品の試食をさせてくれるため巨大試食会となっています。トラタロウも出かけまして4時間にわたって試食をしてきました。
※ MIHAS の公式HP に移動します
※ 昨年の様子はこちらをご覧ください
2023 MIHAS に行ってみた(巨大試食会場でした)
Halal(ハラール)とはなんでしょう
ハラール(Halal)はアラビア語で「合法、許される」を意味し、ムスリム(イスラム教徒)が飲食可能な物。反対語は「違法、禁止」を意味するハラーム(Halam)です。
イスラム教国では自国で販売される食品にハラールマークをつけることが多い。マレーシアでは JAKIM(ジャキム、マレーシア連邦政府総理府イスラム開発庁)が担当しており、食品や食堂にそのマークを見ます。
禁じられている飲食物の代表が「豚肉」と「酒」なのは有名。KL市内にはこれらをタブーとしない華人(中国系)市民も多いのですが、スーパーなどでは豚肉・酒は別コーナーで売られ「ハラールではありません」という旨の表示があります。
※ 下戸のトラタロウは酒は買わないので詳しくないのですが、マレーシアは諸物価に比べ酒類が高いとか。豚肉も鶏肉に比べると高いな。
ある食品がハラールであることの証明がハラール認証。日本の食品製造メーカーでもこの認証を取る所があるとか。将来宗教別の人口はイスラム教徒がキリスト教徒を抜いて世界1位になると予測されています。この巨大市場に参入するにはハラール知識と認証は不可欠でしょう。
※ 今回中国奥地の人口20万人ほどの地区(広河県)が出店していて驚きました。イスラム教徒(回教)が多い地域で「清真」は得意分野かな。
※ ムスリムに配慮して機内食に豚肉が使われることはまずありません。例外は中国の国内線。時々これは「豚肉製品」ではと思われる食品が出ていました。最近はどうなのかな?
MIHAS はどこで開催されるのかな
MIHAS の会場は高級住宅地、コンド、モールなどが多いモントキアラの一角にあるMITEC(Malaysia International Trade and Exhibition Centr)。公共交通機関の便は悪いですが、トラタロウは自宅から自転車で行き40分でした。
※ 公共交通機関のうち市内鉄道(LRT、MRT)では行けません。バスを調べてみたらPasar Seni 駅隣接のバスターミナルから851番バスでMATRADE(MITECの隣)に行けるようです。
当日帰ろうとしたらシャトルバスが運行されているのに気づきました。詳細は最後のページ。
会場は3つのフロアーに分かれています。まず3LEVELフロアーでビジターの登録が必要(要スマホ)。氏名、メルアド等を入力して登録し、ビジター券をもらえばどの会場にも入れます。わからなければ係員が教えてくれます。
※ ドレスコードがあります。一般入場者にどの程度適応されるか分かりませんが、短パン・サンダル・露出の多い服装は避けましょう。詳細は公式HP参照。
3LEVEL会場 政府・州関係
登録をした3LEVELの会場から入ってみました。マレーシアを構成する13の州の産物などを紹介しています。ちなみにマレーシアは王制ですが、スルタン(州の王様)がいる9つの州から5年ごとに輪番で国王(アゴン)が選出されます。今年からジョホール州のイブラヒム陛下が17代国王として即位されました。
食品だけと思ったらアラビア語のカリグラフィーのブースがありました。イスラム教の聖典クルアーン(コーラン)の字句を装飾アラビア文字で書いた品です。偶像崇拝を嫌うイスラム教の美術品として広まり、KL市内でも販売店を見かけます。
いくつかの作品にアッラーの御名が書かれています(これしかアラビア語は読めません)。マレーシアでは商店・レストラン・乗用車にも唯一の神の御名が書かれていたりします。
2LEVEL 会場 海外からの出店です
45ヶ国からの出店がありました。ジンバブエやフィジーなどマレーシアと関係が無さそうな国々もありますが旧大英帝国植民地がらみだと納得もいきますね。
JETRO(ジェトロ、日本貿易振興機構)のブースがありました。あまり大手が扱わないような商品、企業の売り込みをサポートしているようです。
国旗が45枚(本当は旒 ・りゅう or 流れ・ながれ、が正しい数え方らしい)あります。でも参加国は何ヶ国と発表されるのかな? 台湾(左端、下から2番目の旗)は数に入れるのか?
台湾は地名で正式な国名は中華民国といいます。マレーシアや日本は中華民国を承認(ここでは国家として認めること)していないので地図や催し物で正式国名は使えず、地名の台湾でごまかしている状態ですね。
これは中華人民共和国と中華民国の政治的な争いが原因。世界に中華民国を国家として承認している国は十数ヶ国しかありません。日本が承認している国は195ヶ国で 、MIHAS 参加国の中ではパレスチナは国家として承認していません。
1LEVEL 会場 マレーシア企業・多国籍企業
マレーシア企業のブースが中心。試食提供もここが一番多いので、時間が無い方はここだけでもよろしいかと。ちなみにハラール食品展なので一般入場者のほとんどはマレー系市民。家族・仲間連れで楽しそうに来られてます。華人系は数えるほど、インド系は見かけませんでした。
※ マレーシアにはマレー系、華人系(中国系)、インド系の三大民族がいますが、他の民族の行事には関心を向けない傾向があります。
マレー系料理が多いですが、中華系もハラール仕立てで出展。
各ブースはディスプレイにも力を入れていました。
トラタロウ的試食品ベスト3
MIHAS は3フロアーで開催されていますが、各フロアーはかなり広いです。すべての会場、ブースを回るのに 11:00~15:00 、4時間かかりました。試食品も飲み物、メイン、デザートと様々で、全部食べた訳ではありませんが4時間もいれば満腹。
印象に残った試食品を挙げてみます。
3位…ビリヤーニが機内食のトレイみたいな容器入り。試食用はその小型版でカワイイ。
2位…シャーベット原液を入れるとマシンの中でアイスになり、さらに細かく削ってくれる。見ているだけで楽しい。
1位…ドリアン・コーヒー。マレーシアにはドリアン・フレーバーの菓子・アイスが多いがコーヒーは初めて。味はコーヒーなのに香りはドリアンと脳が混乱しそう。好き嫌いは別にしてインパクトは大!
元は日本特有の食品ですが、現地に入り込みマレーシア企業が生産・販売している食品もありました。
3位…Mochi 日本で売られても違和感が無い普通の餅菓子でした。
2位…Oden 出汁かと思ったらレンダンスープに近い味。練り物を具にしているのが共通なだけでマレーシア化しています。
1位…Tamagoyaki 聞けばこの単語はすでにマレー語に入っているとか。Tamagoyaki、Malaysiaで検索したら色々ヒットしました。寿司ネタから独立?ちょっと甘い目だがこれがマレー人好みかな。
4時間かけて試食をしまくったら満腹。ひとつひとつの試食品は小さいが数があればたまります。さらに長時間かけることで満腹中枢を刺激する効果もありそう。
この満腹状態で自転車帰宅はシンドイなと思いましたが、建物の外に出るとバスが停まっていて、 FREE SHUTTLE の文字が見えます。
無料シャトルバスの行先は SUNWAY PUTRA MALL 。おお!自宅方面ではありませんか。
折りたたんだ自転車ごと乗せてくれるというので乗車。15分で到着、あとは自転車十数分で帰宅です。
プトラモールへはLRTアンパン線、スリ・プタリン線のPWTC駅から徒歩3分。来年はこれで行こうかな。
※ 公式HPを見直したら無料シャトルバスも記載されていました。
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