クアラルンプール市の人口の4割以上を占めるのが華人系(中国系)。あちらこちらに華人のコミュニティがあり、そこには中国の民族宗教である道教(Taoism)寺院があり祭礼が行われます。
KL南東部のアンパン地区は福建系華人が多く、九皇爺南天宮という道教寺院で10/3~10/11にかけて祭礼が行われたので行ってみました。
祭りの始まりはドラゴン山車(だし)のパレードです
道教は中国独特の宗教です。民間信仰、老荘思想などが融合してできまして、神仙思想、不老不死、陰陽五行説などが特徴。風水も道教が源です。
日本の神道と同じく多神教であり、菅原道真が神格化して天神様となったように人が神として祀られることがあるのも似ています。横浜中華街にある道教寺院関帝廟は三国志の武将・関羽を神として祀っている。
九皇爺南天宮はLRTアンパン線の始発駅であるアンパン駅から徒歩15分ほどの所にあります。斗母元君という女神が生んだ9柱の神を祀るため英語では Nine Emperors Gods Temple という表記。
LRTアンパン駅から徒歩5分でアンパン華人街の繁華街である Jalan Besar Ampang に着きました。ここの両側にある華人系商店は店頭にお供え物や花などを飾っています。
黄色い旗を立てた車が巡回し、祭りの開始を触れていました。沿道に見物の住民も集まっています。
夜7:30ごろ、日が暮れてきますと寺院方面から山車を連ねたパレードがやって来ます。これは神様をお迎えする行事のようです。
このお祭りの装飾のメインはドラゴンみたい。数々のドラゴンダンス・チームや装飾自動車が通過していきます。
この祭礼で神様は水辺からいらっしゃるようです。お迎えに船型の山車も登場。
東南アジア華人のおめでたに付き物なのがライオンダンス。今日はドラゴンが主役のようですが地元ライオンダンス・チームも出動中。
※ 祭礼パレードの様子はYou Tube などにもアップされています。 九皇爺南天宮、安邦 2024 をキイワードに検索するとヒットします。飲
安邦はアンパンの漢字音訳です。
九皇爺南天宮の境内とお祈り
中国は福建省を始まりとする九皇大帝信仰は移民を通じてマレーシア、シンガポール、インドネシアなどの福建系華人社会に広まりました。信者は大祭前に身を清めるため菜食をするためヴェジタリアン・フェスティバルとも呼ばれます。
アンパン地区の福建系華人社会の要となる九皇爺南天宮は普段は静かなたたずまい。しかし祭礼の時には地域住民が集まり大賑わいです。
本堂奥には九皇大帝を生んだ女神斗母元君の宮があり普段から参詣人が絶えません。次の画像は8/22に行われた中元節の様子です。詳しくはこちらをご覧ください。
2024 中元節を九皇爺南天宮で見てみた に移動します
普段は参拝者が本堂に入って祈りを捧げます。でも今日は人が多すぎるためか本堂には入れず、入り口前の特設祈祷場でお祈りの様子。
こんなに沢山の中華屋台初めて見た
マレーシアは屋台天国。土曜日のマスジッド・インディア、カンポンバルのラマダンバザールなどで100軒以上の飲食物屋台が出るのは珍しくありません。でも上記2つはマレー系の屋台。ここ九皇爺南天宮のお祭りでは100軒以上の中華屋台に圧倒されます。中華以外は日系(たこ焼き、和牛串など)、タイ系が少々。
2023ラマダン・バザールに行ってみた①カンポン・バル編 に移動します
中国ハンバーガーなる屋台あり。ハンバーガーは中国語で汉堡包(ハンバーパオ)。汉は漢の簡体字で、汉堡でハンバーガーのハンバーを意味。包は挟まれた状態を表します。
手炒りの甘栗に驚きましたが、タイ系の屋台ですごくレトロな機械を発見。瓶ジュースを氷水の中で攪拌(かくはん)することで早く冷やす機械でした。
食べ物以外の華人文化に触れることができる屋台もあります。手相など日本にも伝わった物もありましたが、中国独特の物もあります。
なにやらササラのような棒で体を叩く治療?をしていた。身体的な物なのか風水的な物なのか。
線香屋では巻線香や巨大線香を売っていた。2m以上もある巨大線香は線香ではなく棒香だな。
タンフールー(糖葫蘆)は甘酸っぱいサンザシ(山査子)の実を、溶かした砂糖飴でコーティングした中国伝統の駄菓子。最近はアジア各国に広がっているみたいだが、サンザシではなくイチゴ、ブドウ、キウイなどに飴がけするのが普通。
特別な設備がいらず、作る技術も簡単、価格も高めに設定できるので屋台むきですね。
何やら独特の香りがします。豆腐を発酵させた臭豆腐を揚げる香りです。中国・台湾ではよく見ますがマレーシアで見るのは初めて。
ドラゴン山車、ライオンダンス、道教寺院、中華屋台群とマレーシア華人世界を堪能(たんのう・十分に満足)しました。ちなみに客層はトラタロウ主観で 99.9% 地元華人。残りの 0.1% は外国人観光客かな? マレー系インド系は一人も見ませんでした。
コメント