春節は旧暦によるお正月です。日本はお正月を新暦(西暦・太陽暦)に合わせてしまいましたが、中国、台湾、シンガポールや中国の影響を受けたベトナム、韓国など多くの国が旧暦(太陰太陽暦)に基づいて行います。月の運行に基づき、太陽運行で微調節をする年354日の旧暦では、毎年お正月が変化します。昨年の春節は1/22(日)でしたが、今年は2/10(土)から始まりました。
マレーシアは人口の23%が華人ですが、特にクアラルンプールは華人率が高く、春節は盛り上がる行事。KLの春節の様子をレポートします。
春節には3つの名前があります
春節を意味するアルファベット表記はマレーシアに3つあります。一番多いのが CHINESE NEW YEAR で略称が CNY 。月を基準にする暦に基づくため LUNAR NEW YEARという表記も時々見ます。
マレー語だと TAFUN BARU CINA で、中国新年という意味ですね。
今年ふと気づきました。漢字で「新年」という表現はよく見ますが、「春節」という表現は見ないな。なぜだ?
春節デコレーションが始まります
春節の1ヶ月前くらいから、あちらこちらで春節デコレーションが設置されます。特にショッピングモールは大規模な飾りつけで客を誘います。春節カラーは邪を払い、幸運を招き寄せる赤。街が赤く染まる季節。
KL中心部主要モールの春節デコレーションはこれをご覧ください。
2024 春節デコレーションを見に行ってみた に移動します。
今年は YEAR OF THE DRAGON です
今年は辰年(たつどし)ですので街中ドラゴンだらけ。リアルなドラゴンもありますが、中国風にディフォルメされたプリティ・ドラゴンも人気。
縁起物① 恭喜發財(ゴンシーファッツァイ)
様々な春節関連商品が売られる時期ですが、お金関係が目立ちます。いたる所で見られる春節のお祝い言葉が「恭喜發財」(お金持ちになっておめでとう)。中国的価値観ではお金関係は重要な縁起物です。
昔の穴あき銭が木の実のように枝になっている装飾品がありました。日本でも「金のなる木」と呼ばれる縁起物。
実はこれ昔の中国や江戸時代までの日本のコインの作り方でした。金のなる木の形の鋳造型を作って、溶けた金属を流し込んで作ります。冷めたら切り離し、中央の穴に四角棒を通して何十枚も連ねて磨きました。穴が四角いのは滑らないための工夫です。
お金関係の縁起物で欠かせないのが財神(ツァイシン)です。中国版福の神で、春節5日目に訪れるといいます。財神衣装セットや着ぐるみもあってイベントでは大人気。
春節時に歌われるおめでたい音楽・新年歌にも『財神到』『財神老爺下凡了』など財神に関連するものが多いのです。
縁起物② おめでたい食品
日本の伝統お節料理は数の子が子孫繁栄を意味したり、昆布巻きが「よろこぶ」に通じたりと縁起をかつぎます。春節期間に売られている食品もそれに近い物が多いです。
中国文化圏全体でおめでたいとされる食物がミカンなどの柑橘類。漢字では橙、桔、橘などがミカンを表現する漢字ですが、橙は成(成功する)と同音、桔や橘は吉(めでたい)と同音だそうです。
でもこちらのミカンは日本のそれに比べると味は落ちますね。安くはないのに。
縁起物➂ 生魚(イーサン)とは何?
マレーシアやシンガポール独特の縁起かつぎ料理がイーサン(漢字で生魚)。もともと中国では「魚」(ユイ)と「余」(余裕がある、豊かである)が同音であることからおめでたい食品でした。それに様々なおめでたい素材を加えてあります。
その他の春節商品
春節は華人にとっては一大お買い物シーズン。様々な関連商品が並びます。
あちらこちらでライオンダンス(とドラゴンダンス)
獅子が邪気を払い、幸運を呼び込むという日本の獅子舞。その起源であろうと思われるのがライオンダンスで中国、香港、シンガポール、マレーシアなどでさかんです。
銅鑼・太鼓による独特の中国音曲に合わせ、黄・赤・オレンジ・ピンク・青など派手な色彩のライオンが舞い踊ります。
※ アクロバティック・ライオンダンスについては、こちらをご覧ください。
春節の華 ライオンダンスを見に行ってみた に移動します。
マレーシアでは春節時期にモールや企業の新年会などで披露されますが、踊りのみとアクロバティックと呼ばれるものの2つに分かれます。アクロバティック・ライオンダンスは2mを超えるポールの上で技を披露するすごい物。
今年は辰年のためかドラゴンダンスも行う所が多かったです。
短いですが動画もお楽しみください(環境によっては読込に時間がかかります)
短いですが動画もお楽しみください(環境によっては読込に時間がかかります)
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企業の新年会・仕事始めのライオンダンスは最後にオーナー、社長、重役という感じの人たちが集まって記念撮影。当然のように華人系で、経済を握っているのがわかりますね。
ちなみにマレー系はブミプトラ政策(マレー系への優遇措置)のため公務員系をほぼ独占状態。特に警察官はマレー系しか見たことがありません。
今年の春節は2/10(土)から始まり国の祝日としては3連休。でも春節期間は15日ぐらいあるので華人系企業や店舗、学校はかなり休みます。
KLの北西に位置するケポン・バル(カンポン・バルではありません)には大きな華人市場があります。もう再開したのではと思い2/18に出かけました。
しかし普段の3割ぐらいの店しか開いておらずガラガラです。春節を楽しむ華人の心意気を甘く見ていました。
※ 2023年の春節の様子はこちらをご覧ください。
2023年クアラルンプールの春節(旧正月)を感じてみた に移動します。
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