2024年の10/31はヒンドゥー教徒のお祭りディパバリ(ディワリ)です。これはヒンドゥー教暦の新年にあたり、インド人にはお買物シーズン。1ヶ月ぐらい前からインド人が多い繁華街ではディパバリセールが行われます。マレーシア各地で行われるディパバリセールの最大の物がクアラルンプールのディパバリ・カーニバルと呼ばれる催し。開催中50万人ものインド人がKLはおろかマレーシア中から集まるというので行ってみました。
ディパバリ・カーニバルの開催地は?
今年で22回を数えるディパバリ・カーニバル開催地はKL中心部から15Kmほど南下したBukit Jalil 。National Sports Complex の駐車場Bに作られた特設会場で行われます。
LRTスリ・プタリン線の Bukit Jalil 駅に隣接しているのでアクセスは良好。Masjid Jamek 駅を基準にすると10駅目、所要約30分、タッチ・アンド・ゴーカード使用で3.4リンギッ(¥119)でした。
Bukit Jalil 駅まで順調に来ました。だが駅を出ると予想していたのと雰囲気が違います。大勢のインド人がいると思ったら、大勢の華人(中国系)の若者がいました。
どうもスタジアムでコンサートがあるみたい。販売グッズを見てみると Jay Chou という人。
あとで調べてみたら台湾出身の歌手で、作詞・作曲・演技までこなす 周 杰倫 というスター。東アジア~東南アジアの中華圏の若者に絶大な人気を誇るとか。
マレーシアにはマレー系、華人系、インド系の三大民族がいます。でも自分たちの集団を作り、他民族の宗教・文化関係には踏み込まない傾向にあります。スタジアム前は華人の大集団で中華系食物屋台が並んでいましたが、ここではインド人だけでインド系食物屋台ばかり。共存はしていますがほとんど混じらないな。
本会場に入ってみます
ディパバリ・カーニバル会場は仮設建物とその前の通路、外の舞台・飲食街に分かれています。本会場である仮設建物に入ってみるとインド世界が広がります。
トラタロウはインド大好きで1989年の北インド旅行から数えて6回のインド渡航歴があります。本会場に入るといきなり香りがインドで懐かしい。独特のお香の匂いがただよい、周りは全部インド人。これでけたたましいインド歌謡でも流れていれば完璧ですが、音楽は規制されているみたい。
売り物は服飾、宝飾、小物、置物、家具、神様グッズ、お菓子、スナック、レリーフ、彫刻。健康関係などなど多彩。いずれもインド人好みの物があふれています。生鮮食品や普通のインド食品が無いのは残念。
サリーやパンジャービドレスのような伝統的インド服はそんなに無い感じ。インドでは女性はほぼ伝統インド服着用ですが、マレーシアのインド系女性はお祭りやお参りの時以外は着てないものね。
簡単なピアスから精巧な作りの装飾品までアクセサリーも多彩。マスジッド・インディアの宝飾店街に行くとこれの黄金 & 宝石版 が見れます。
インドで欲しいけれど買えない物が伝統インド菓子。見た目も美しく多彩なインド菓子はとても美味しそう。でも油脂と砂糖をものすごく使い超激甘なので、甘党のトラタロウでも手が出ません。
ところがマレーシアのインド菓子はかなり甘さ控えめで日本人にも合います。インド菓子食べるならマレーシアが最高の土地。
ディパバリは善(光)が悪(闇)を打倒したことを祝う祭りで「光のフェスティバル」と呼ばれます。「光」のシンボルがランプで様々なランプが売られます。電灯式のランプもどきがありましたが、便利だけど情緒に欠けるかな。
会場の一角に神像が置かれ礼拝所が設けられていました。立ち寄って祈りを捧げる信者が絶えません。マレーシアのインド人の8割以上がヒンドゥー教で、残りはキリスト教、イスラム教、シーク教、仏教などですね。
青い体の少年の姿で描かれるのでクリシュナ神でしょう。クリシュナ神はヴィシュヌ神の化身とされます。またディパバリの起源となった光の勝利を描く『ラーマーヤナ』の主人公ラーマ王子もヴィシュヌ神の化身とされます。そしてヴィシュヌ神はディパバリに降臨する女神ラクシュミーの夫でもあります。
ヒンドゥー教は拡大中に各地の土着神を取り込んだりしているので複雑です。多神教で神様が多いのに加え化身(別な姿で現れる、英語でAvatar、SF映画のあれですね)も多くて大変。
ディパバリ関係神の一柱がラクシュミー神。財貨を司る女神で金貨の壺を抱えておられます。この女神が降臨するのでディパバリはお買い物シーズンなのかな。
ディパバリ・カーニバルでは商売の神ガネーシャと対で神像が売られてました。華人の正月である春節に財神が降臨するのに似ていますね。
マレーシアのインド人の多くはヒンドゥー教徒ですが、南インドから来たタミル系が多いのでキリスト教徒もかなりいます。時々北インドに多いシーク教徒も見かけます。シーク教の男性は宗教の掟としてターバン着用、ひげを蓄え、腕輪をしているので見分けやすい。
ヒンドゥー教は多神教。多くの神様やその化身の像が作られ拝まれています。ブッダも化身のひとつとされますが、仏教でもヒンドゥー教の神々の多くを仏教守護神(天部)として取り入れています。四国の金毘羅様もインドのクンビーラ神(ワニの姿の水の神)が源です。
ディパバリの風物詩が着色した砂・米で描くコーラムという絵。作るのは大変ですが家庭用簡易コーラムが売ってました。彩色された土台のくぼみに着色米を入れ、電気式ランプを置くだけ。
外にはコンサート舞台と屋台街がありました。
ディパバリは光の祭りのためか最終日の夜は花火がつきもの。花火屋台も出ていました。険悪ではないけれど、さほど仲も良くないマレーシア三大民族ですが、お祭りの時の花火好きは共通しています。
帰宅すべくBukit Jalil 駅に行ったらさらに混んでいました。インド人はわずかですが、周 杰倫のコンサートに華人がつめかけています。
ディパバリ・カーニバルでお買物のインド人は車で来ているのかな。
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