MENU

2024 クアラルンプールのディパバリ(ディワリ)を感じてみた

クアラルンプール市役所前の飾り門もディパバリ仕様です

 ディパバリはヒンドゥー教徒(KL市内だと人口の10%くらい)の宗教行事です。これは悪(闇)に対する善(光)の勝利を祝う「光の祭典」、ヒンドゥー教暦の元旦でもあります。今年は10/31がディパバリでしたが、1ヶ月ぐらい前からクアラルンプール市内にはディパバリのポスターや飾りがセットされお祭りの雰囲気が始まります。常夏で季節感に乏しいマレーシアですが、主要宗教のお祭りが季節感代わり。今年のディパバリの様子をレポートしてみました。
※ 北インドに多いヒンドゥー語だとDiwaliと呼ばれ、タミル語が多い南インドではDeepavali と呼ばれます。 タミル系の移民子孫が多いマレーシア・シンガポールではディパバリが主流。時々ディワリ表記も見ますが。

始まりは常にセールから

 スーパーや小売店が真っ先にディパバリ意匠を飾り購買意欲をあおります。特にインド系にはお買物シーズンなので、インド系の多いブリックフィールズマスジッド・インディア界隈(かいわい)は真っ先にディパバリ・デコが登場です。

インド服
LuLuのインド服のセール、右手にディパバリ贈り物セット
看板1
インド服屋の多いCITY ONE モール
看板2
よく見かける服飾チェーン店

 マスジッド・インディア近くにある外資系(アラブ首長国連邦・アブダビ)のスーパーLuLuは各宗教行事のたびにセールを展開。特にインド系顧客の多いここは力を入れています。

飾り
ディパバリ飾りが並ぶ
オイルランプ
これは装飾用オイルランプ

 ディパバリの習慣のひとつがお菓子。甘いお菓子は豊かさと幸せのシンボル。LuLuは普段からインド菓子が売られていますが、この時期は特選クッキーも販売。

クッキー
特選クッキーけっこう高い
特価
他の品々もディパバリ特価

 すべてのスーパーがディパバリ・セールをしている訳ではありません。マレーシアの三大民族であるマレー系(イスラム教)華人系(仏教・道教)インド系(ヒンドゥー教)はそれぞれ固まって住む傾向にあり、他民族の文化・宗教には関与しないのです。
 全民族を顧客に想定している大型ショッピングモール、銀行、保険などはディパバリ・デコレーションを施しているようですが、マレー系、華人系の多い所はゼロだったりします。

銀行
華人系銀行にもディパバリ
保険会社
保険会社のデコ

 KL市内にあるインド系のコミュニティでは、なんらかの形でディパバリの催しがあるようです。
マスジッド・ジャメに近いリトルインディアのひとつ Lebuh Ampang に行ったらインド歌謡ショウ開催のバナー。見に行こうとしたら大雨で断念しました。

レブアンパqン1
この通りだけインドな Lebuh Ampang
レブアンパqン2
歌謡ショウの舞台も仮設されていた

マスジッド・インディアに行ってみました

マスジッド・インディア通り1
夜も人通りが尽きないマスジッド・インディア通り

 ムルデカ広場マスジッド・ジャメに近い
マスジッド・インディア通りはインド人経営の宝飾店、伝統服飾店が軒を連ねる場所。
 近くにはマレー服飾店も多くインド系、マレー系、南アジア系(パキスタンなど)が集まる繁華街です。
 ディパバリの時期は宝飾店がゴールド・アクセサリーのセールを行いインド人(インドから来る観光客も多い)が集まります。

マスジッド・インディア通り2
金製品の店もディパバリ・セール
マスジッド・インディア通り3
砂絵コーラムもありました

コーラムはディパバリ名物の砂絵。中心部のモールでは大規模な物を作って展示します。
 2024 ディパバリ(ディワリ)デコレーションを見に行ってみた に移動します

 

マスジッド・インディア通り4
ディパバリ・デコの屋台
マスジッド・インディア通り5
女神やおめでたい孔雀の絵
マスジッド・インディア通り6
臨時屋台街ができています
マスジッド・インディア通り7
お祭りにはインド菓子

 ここは『地球の歩き方』などにはかろうじて載っていますが、あまり日本人観光客は来ません。でも多民族が行きかう印象的な街なのでもっと訪れてほしい場所です。
 ただ8月に道路が崩落、インド人女性観光客が転落して行方不明という事故が発生した場所です。
 クアラルンプール道路陥没事故現場に出くわしてみた に移動します

マスジッド・インディア通り8
11/2 現在の崩落現場

ブリックフィールズに行ってみた

KLの中央駅になるのがKLセントラル駅前はインド系の店が多い場所です。さらに大通りを10分ほど南下すると両側にインド系の服飾店、雑貨店、レストランが並ぶ リトルインディア。
 ここはディパバリ前は出店・屋台が通路からあふれんばかりに出ており、インド音楽が鳴り響く喧噪の地。とってもカオス(混沌としたさま)な場所で、一度は行ってみたいですね。
※ 昨年の様子はこちら
  2023ディパバリ直前のインド人街に行ってみた に移動します

ブリックフィールズ1
普段もにぎやかな場所ですが
ブリックフィールズ2
ディパバリ前はとんでもない喧噪に包まれる
ブリックフィールズ3
縁起物の清らかなバナナの葉が売られる
ブリックフィールズ4
ヘンナ屋が30軒くらい出ていた
ブリックフィールズ5
光の祭典なのでランタン型のデコレーションが売られる

 マレーシアにはお正月が4回あります。世界標準の西暦(グレゴリオ暦)の1/1に加え、イスラム教、道教、ヒンドゥー教は宗教独自の暦で独自の元旦があるため。
 どの宗教も日常生活は西暦を使いますが、宗教行事は自分たちの宗教暦で行います。1年365日とは限らないため西暦に当てはめると毎年開催日が変化することが普通。例えば今年のディパバリは10/31ですが、昨年は11/12でした。
 ちなみにこの4つのお正月はすべてパブリック・ホリデー。マレーシアはけっこう祝日が多いのです。

ブリックフィールズ6
ヒンドゥー教暦のカレンダー
ブリックフィールズ7
花火屋も繁盛しています

 KLセントラル駅に隣接する駅ビルがニューセントラル。吹き抜けの展示場に前回来た時には無かった砂絵コーラムが作られていました。

ニューセントラル1
上から見るとすごくキレイ
ニューセントラル2
下で見ると彩色米製なのが分かる
ニューセントラル3
KLセントラル駅のディパバリ・デコ

ディパバリ前夜の花火大会

 ディパバリの前夜10時過ぎ、店は閉まりましたが通りには花火を打ち上げるインド人たちがいっぱい。真夜中過ぎまで爆裂音が絶えません。

花火1
花火に盛り上がるインド人
花火2
マンション前でもお構いなし

 打ち上げ花火よも盛大なのが爆竹。大きな箱に入った中国製のそれは長さ88中国尺(29mくらい)。点火されると大音響とともに5分くらい爆発を続ける代物。

花火3
そんない大きくないが連発が多い
花火4
このでかい箱は何だ
花火5
巻かれた爆竹でした
花火6
爆発が延々と続くのだ

 これらの花火は個人で買っているようだが、いくらするんだ?
 49連発9インチが280リンギッ(¥9800)、同じく12インチが480リンギッ(¥16800)
 爆竹88尺が380リンギッ(¥13300)~480リンギッ(¥16800)となかなか高価。

花火7
大型花火の屋台

ディパバリ当日の朝、ブリックフィールズの寺院通り

スコット通り1
スコット通りのヒンドゥー教寺院街

 ブリックフィールズ南側は観光的なリトルインディアとして有名ですが、北側のスコット通りはインド系住民の居住区。
 地元民のためのヒンドゥー教寺院が4つも隣接するお参りスポットです。ディパバリの早朝にウオーキングがてら行ってみました。
 ※ 昨年のディパバリ、夜のスコット通りの様子はこちらをご覧ください
 2023ディパバリの夜、ヒンドゥー教寺院に行ってみた に移動します

 日本の元旦なら朝から神社へのお参りでにぎわいます。ここは前日の花火で消耗したのか、朝は普通のプージャー(お祈り儀式)をやっていただけ。でも参拝者を迎える準備が進んでいました。

ハヌマーン寺院
ハヌマーン寺院のお祈り
ハヌマーン寺院コーラム
ハヌマーン・メイスがモチーフのコーラム

 だんだん参拝者が増えてきます。普段と違うのは男女共に少し改まった服装で来ている人が多いこと。インドで女性はほぼ民族衣装ですが、マレーシアのインド系女性は洋装が主流。今朝は女性も民族衣装が多く、男性もルンギー(腰巻)着用者がいます。初詣に着物を着てくるようなものかな。

ルンギー姿
ルンギー姿の男性参拝者
牛
牛もやってきます

 どこからともなく牛が3頭も登場。ヒンドゥー教では「聖獣」として尊ばれるのです。今日は大勢の参拝客に写真を撮られるのかな。
 今日10/31(金)は祝日で休みですが、翌日土曜日も休みにして4連休にする所もありそうですね。まあインド人にはお正月ですので。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『KLダイアリートラタロウ』お読みいただきありがとうございます。
姉妹ブログとして旅行と海外食生活をテーマにした『トラベルダイアリートラタロウ』https://tabivoyagetrip.blog/ もありますので、よろしければご覧ください。

コメント

コメントする

目次