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2024 中元節を九皇爺南天宮で見てみた

境内に作られた幽霊監督官・大士爺の像

 旧暦7/15は冥界の門が開きご先祖様の霊が家に戻ります。子孫を守ってくれる祖霊を歓待し、冥界に戻る時はお土産を渡すのが中元節。この時期には悪霊も解き放たれるため、これらの霊を慰めるお祭りでもあります。このため英語ではGhost Festival と呼ばれる中国の年中行事。
 中国系(華人)が多いクアラルンプールでは、鬼節と呼ばれる旧暦7月に各地の華人コミュニティで中元節が開かれます。昨年はチョーキットの華人街に行ってみましたが、今年はアンパンに行ってみました。こちらは福建系のコミュニティで昨年とは少し違う中元節です。

中元節とはどんなお祭りかな?

 中元節は3つの宗教・思想がミックスされて完成しました。
 ①道教の「三元」の祝い ②仏教の盂蘭盆会・施餓鬼 ➂儒教の孝養 です。

カレンダー
旧暦を併記したカレンダー、8/18に中元節の文字

 ①道教の「三元」の祝い
 中国の民族宗教である道教では、旧暦の1/15、7/15、10/15を年の節目の「三元」として祝う風習がありました。
 特に年の真ん中である7/15は「中元」として重要視されます。日本ではご贈答シーズンを意味する「お中元」もここから来ています。
 西暦2024年は 8/18 が旧暦 7/15 となります。

 ②仏教の盂蘭盆会・施餓鬼
 日本で「お盆」と呼ばれるのが盂蘭盆会(うらぼんえ)です。これは冥界から戻ってきた先祖の霊を迎え、慰める行事。同時に餓鬼地獄に堕ちた霊である餓鬼も供養します(施餓鬼・せがき)。
 中国では盂蘭勝會と呼ばれ、祖霊を祀ると共に子孫により祀られない孤魂野鬼を慰め、取りつかれないように注意をするとか。
※ 中国語では「鬼」は「幽霊」を意味。ゴーストタウンは鬼城です。

お供え1
道端に置かれる孤魂野鬼へのお供え

※ 中元節期間の注意事項はこちらのサイトに詳しいです
  意外と知らない中国の風習|中元節の禁忌事項

看板
アンパン道教寺院の盂蘭勝會看板。安邦はアンパンの漢音訳。

 ➂儒教の孝養
 儒教は中国の倫理・生活規範をまとめた教えです。特に重要なのが孝養で父母・祖先を大事にし、その霊を祀ります。特に大事なのが供物。死者の住む冥府では生活用品は子孫が用意しなければなりません(なかなか世知辛いですね)。紙で作ったお金・衣類・靴・食品・自動車・住宅・召使いなどをお供えます。

豪邸模型
紙製の豪邸模型

 これらが混合して中元節となりました。中国本土は文化大革命などで伝統行事がかなり失われており、東南アジアの華人社会の方が昔からのしきたりを守っている感じですね。
 ※ 2023年はチョーキット近くの華人街の寺院宗聖堂の中元節を見てきました。
 2023中元節を見にローカル華人街に行ってみた に移動します
 ※ 中元節についてはこちらのブログに詳しいです
 壺中天 死者の夏祭り:中元節の世界 に移動します

中元節のお祭りはいつやるの?

チャイナタウンでは8/4~8/6
KLのチャイナタウンでは8/4~8/6に開催

 中元節は旧暦7/15とされますが、この日にお祭りをするとは限らないようです。2024年は8/4からが鬼節と呼ばれる旧暦7月の始まりで、約1ヶ月続きます。
 パサースニ駅横のチャイナタウンでは8/4~8/6、昨年行ったチョーキット近くの華人街では8/12~8/15に行ったようです。まあ旧暦7月の中ならどこでもいいのかな?

アンパン1
アンパンの道教寺院

 今年は別な寺院に行ってみたいと思い候補に挙げていたのが、LRTアンパン駅から近い九皇爺南天宮という所。英名 Nine Emperors Gods Temple です。
 中元節のスケジュールが分からなかったので旧暦7/15である8/19に行けば何かやっているかな、と行ってみましたがハズレ。この時はどこも旧暦7/15にやると思い込んでいたのです。
 ちなみにアンパン地区はクアラルンプールの東側ですが、KL市ではなくセランゴール州になります。

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