2024年のラマダンの様子を紹介しましたが、後半になるとお祭り状態になります。
後半は来るべき断食終了後のお祭りハリラヤ・プアサ( Hari=日、 Raya=偉大な、 Puasa=断食、「断食の偉大な日」)に向けての準備に盛り上がるのでした。
ハリラヤ・プアサに入ると商店・飲食店は休みとなり、街は静けさに包まれます。マレー系の住民は晴れ着に身を包み、撮影大会。ハリラヤ・プアサの様子をレポートします。
ラマダンの様子はこちらをご覧ください。
2024 KLのラマダンを感じてみた
ラマダンはハリラヤ・プアサに続く道
クトゥパ飾りに覆われる街
ラマダンになると街のいたる所にあるデザインが飾られます。これがラマダン明けのお祭りハリラヤ・プアサ、アラビア語ではイード・アル・フィトル(Eid Ai-fitr)、そのマレー語版ではアイディルフィトリ(Aidilfitri)のシンボルです。
デザインは緑と黄色の市松模様。昨年初めて見たトラタロウは「こりゃなんじゃいな」と思いましたが、実物を見て納得。
クトゥパ(Ketupat)という食品で、細長い葉を格子状に編み、中に米を入れて蒸した物です。ハリラヤに食べる定番で、これを模したデザインがハリラヤ・プアサのシンボルとなっていました。
クトゥパはマレーシア焼き鳥サテのお供などで日常的にも食べられますが、普通は葉で包むなんてしません。スーパーに行けば耐水紙袋を使った簡易クトゥパが売られていてゆでるだけ。まあ、これが近代化というものですが、ハリラヤの時ぐらいは天然物が登場します。
また天然物は装飾としても売られていますし、自分でも習えば編めるかも。
宗教行事ラマダンに続くお祭りですので、イスラム教のシンボルである三日月と星、イスラム教発祥の地アラビアにちなむデザインもよく見ますね。
お買い物のハリラヤ商品
ハリラヤ前はお買い物シーズンでもあります。スーパーや専門店がハリラヤ・セールを展開し、特に日没後は真夜中まで大にぎわい。ハリラヤ用品売れまくりです。
ハリラヤ・プアサの家庭用デコレーションはクトゥパ飾りの他にもいろいろあります。
正装した男の子と女の子がよく登場しますが、ハリラヤ・キャラのハリ君とラヤちゃんです(ウソです、トラタロウが勝手に呼んでいるだけです)。
バジュ・ラヤ店は大繁盛
ハリラヤ・セールでひときわ白熱するのがバジュ・ラヤ(Baju Raya)店です。ハリラヤの晴れ着ですが、日本のお正月にあたるので新調する人も多いとか。
民族衣装は女性用のバジュ・クロン(Baju Kurong)と男性用のバジュ・ムラユ(Baju Melayu)があります。マレー系イスラム教徒の女性は、イスラム教の服装規定のため基本バジュ・クロンと頭部を覆うトゥドゥン(Tudung)着用ですが、バジュ・ラヤはその晴れ着版。
KL中心部マスジット・インディアのあたりはマレー系民族衣装店のメッカ。ハリラヤ前は一大セール合戦で午前から真夜中までにぎわいます。
ハリラヤ・プアサの朝
4/9(火)が断食最終日。夕刻断食の終了が宣言されると事実上ハリラヤに突入です。
ラマダン最後の夜は
ここ2週間ほど繁華街は毎晩真夜中までお祭り騒ぎでしたが今晩で終了です。これが最後とばかり周辺では打ち上げ花火大会。自分達で花火を買って行うプライベート花火大会のようですが、なかなかの規模の打ち上げ花火でした。
マレー人、華人、インド人は良い意味で無視しあって、他民族の宗教行事に関知しませんが最後に盛大に花火をするのが共通点ですね(笑)。
チョーキット市場に行ってみた
マレー系住民の台所がチョーキット市場。華人の店もありますが、買い物客の多くがマレー系イスラム教徒なためプドゥやTTDI市場にはある豚肉売り場はありません。
いつもは朝からにぎわうここも数軒を除いて閉店状態でした。周囲のフルーツ店、飲食店などはやっていましたが。
路上で竹筒を焼いている所が何軒もあります。ココナッツミルクと米を竹筒で調理したレマン(Leman)もハリラヤのお祝い食。
カンポンバルに行ってみた
カンポンバルは高層ビルの林立するKLCCに隣接しながらほとんど戸建住宅の地域。大都会の真ん中なのにカンポン(村)にいるような雰囲気があります。
ここはマレー系住民の居住区として売買・建設に規制を設けているとか。住民のほぼ100%がイスラム教徒であるカンポンバルのハリラヤ風景をのぞいてみました。
朝のカンポンバルではバジュ・ラヤ(晴れ着)で新年の礼拝に行く住民の姿がありました。
住宅地を回ると色やデザインをそろえたバジュ・ラヤを着た集団。家族・親戚が集まって記念撮影のようです。
トラタロウが「スラマッ・ハリラヤ」(ハリラヤおめでとう)と声をかけると皆で挨拶を返してくれます。マレー人リアクションいいな!
飲食店の連なるカンポンバル並木道ですが全店お休み。花火屋だけが店を出していました。子供たちがカンシャク玉を買っていくようです。こっちにもあるんだ!
街路を十代前半ぐらいの子供たちがバイクでノーヘル3人乗り激走。君たち免許無いよね。
マレーシアにもバイク教習所や年齢制限・免許はあります。あんまり交通ルールは守られていませんが。せめて歩道は走らないで。
正装した少年たちが近所の家々を回ってお年玉をもらっていました。昔ながらの近所づきあいがあるのでしょう。うれしそうにもらっていました。
この後マレー人ムスリム社会では、帰省(バリッカンポン)、友人縁者の家を訪問(オープンハウス)などの内輪行事が続きます。
トラタロウは各モールのハリラヤ・デコレーションでも見にいきますか。
2024 ハリラヤ・デコレーションを見に行ってきた 近日公開予定です
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