さすが大都市クアラルンプールには色々な無料企画があります。先だって PASTRY & COCOA FESTIVAL なる広告を発見。 PASTRY はバター・小麦粉を使ったパイ・タルトなどの総称ですが、ここではお菓子を意味するようです。COCOA はチョコレートかな。
調べてみると昨年も行われたお菓子展示会みたい。トラタロウはいたって下戸なので酒類の高いマレーシアでも困りませんが、甘党でお菓子は好きです。どんな展示かと出かけてみました。
PASTRY & COCOA FESTIVAL はどこで開催?
開催場所は Mid Valley Exhibition Centre 。イオンも入っているミッドバレーのメガモールです。公共交通機関だとLRTケラナジャヤ線の Abdullah Hukum駅で降りるとガーデンズモールへの連絡通路があり、メガモールへも続いています。
KTM(マレー鉄道)の MidValley 駅の方が近いのですが、運行本数が少ないのでオススメできません。
メガモールに入ったら中央部にあるCENTRE COURT を目指します。ここは季節ごとの大きな行事(春節、ハリラヤプアサなど)のデコレーション会場でもあります。
東側にエスカレーターがありますので3F(日本だと4F)まで登ってもらえば、東側にある Exhibition Centre はすぐわかります。
開場10:00直前に行くともう列ができています。時間が来て入場しようとすると入口正面の看板が「ソファー・ベッド」と「美容・健康展」。あれっ、日時か場所を間違えた?
よく見ると「お菓子展」は右端に小さめの看板がありました。3会場に区切って同時開催のようです。
どんなお菓子があるのかな?
「お菓子展」の会場はあまり広くありませんが、数々のブースで商品紹介・試食が行われているようです。ただ入場していきなり目に入ったのは「除虫用の油」? お菓子どころか食品でも無いな。もちろん試食もありません。
いろいろなブースを回るとお菓子が無いわけではないが、お菓子以外の食品も多いな。
そして何だか見慣れたシンボルと会社名のブース。
江戸時代から醤油の産地として知られた千葉県野田発祥のメーカー。海外販路拡大を続け、国によっては「キッコーマン」=醤油 というほど有名になりました。ちなみに六角形のマークは亀の甲羅を模した「亀甲」(キッコー)というデザイン。その中に繁体字の萬(万)をデザインした文字が入っているので「キッコーマン」です。
「キッコー〇〇」という企業は他にもありますが、醤油メーカーが多いようです。
「お菓子」でも「ペイストリー」でもないブースが多いな。これのどこがPASTRY & COCOA かよ、と突っ込みたくなりますね。
COCOA(チョコレート)はどうなっている?
会場をさまよっていると何やら緑の植木がありました。特徴のある葉はチョコレートの原料であるカカオの樹のそれです。カカオは中央アメリカ原産で、メキシコで栄えたアステカ文明ではその実は貨幣として使われたとか。
カカオ樹は熱帯の植物なので東南アジアでも栽培が盛ん。インドネシアは生産量で世界3位、でもマレーシアは40位でさほど多くはないようです。
2023 MIHAS に行ってみた(巨大試食会場でした) に移動します
とあるブースのチョコレート製造過程の展示が優秀でした。
熟して収穫された種子(カカオ豆)は果肉と共に寝かされ発酵させられます。この過程でカカオ豆の香りの成分が生み出されるそうです。これが無ければ果肉のペーストやジャムができそうですね(少しはあるようです)。
※ カカオ豆 (cacao beans) と呼ばれますが、カカオ樹はアオイ科でマメ科ではないので正確には beans ではありません。見た目だけの名称ですね。
カカオ豆を洗浄・乾燥させた後、大きめに砕いて焙煎します。コーヒーと同じく焙煎することで味や香りが引き出されるのです。
その後磨砕(さらに細かく砕く)すると50%もの油脂分を含んでいるのでペースト状になります。これをカカオマスと呼びます。
ココアにする時は油脂分が多くて飲みにくいので、余分なカカオバターを除きます。この技術を1828年に開発したのが、オランダのバン・ホーテンでした。
カカオマス(ペーストの状態)にさらにカカオバターを加えると固形化します。これは1847年にイギリスで開発された技術で、これにより現在のチョコレートができます。
これ以前はチョコレートは食べる物ではなく、飲む物でした。いまでも欧州では HOT CHOCOLATE という名称で飲まれています。
カカオマス+カカオバター+砂糖+粉乳で基本のチョコレート生地が完成。これをさらに微粒化(ローラーで生地を微細にする、20ミクロン以下)させるとチョコレートの滑らかな食感が生まれます。
カカオ豆があれば家庭でチョコレートは作れるでしょうか?
答えは YES でもあり NO でもあります。焙煎や摩砕は家庭用調理器具で似たようなことができます。でも微粒化は無理。
つまりチョコレートらしい味は作れるが、滑らかさが無い、ザラザラ食感のチョコレートしか作れません。
カカオ豆の原産地メキシコに行ったら市場で売られていました。家庭で焙煎してココアを作るようです。焙煎はフライパンでもできちゃいます。
メキシコのオアハカに行ったら手作りチョコレートの店がありました。試食してみたら味はチョコでしたが、食感はやはりザラザラでした。
※ 自家製チョコレート作成の試みはこちらのブログが詳しい
チョコレートの作り方 製造工程を理解して、カカオ豆からおうちで手作りしてみよう
チョコレート製品のブースと試食は多め。
一応「COCOA」と銘打っているだけのことはあるかな。まあ、その年の参加企業によるのでしょうが。
バレンタインデーで「手作りチョコレート」が登場したりしますが、「本当に手作りのチョコレート」はあまり美味しくないようです。
基本のチョコレートは購入して、トッピングや形にこだわるのが良いですね。
PCFお菓子祭り、チョコレート関係は勉強になりました。
「美容・健康」「ソファー・ベッド」展はこんな感じ。
「美容・健康」展は客層は華人系中心。
やはりお金を持っていて、美容・健康への意識が高いのは華人系ですね。
トラタロウが朝ウォーキングしている時にすれ違う「同好の士」はやはり華人系が多いのです。
ちなみにマレーシアは糖尿病率が高い困った国です。ご飯大盛で甘い飲料好きだからな。
ミッドバレーの無料展示会なかなか面白い物もあります。5/24~5/26はガーデンズモールの方で「PET EXPO 」があるみたい。
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