2025年のラマダン(Ramadan、またはRamadhan)は3/1から3/30まで。これはイスラム暦の9月で全世界のイスラム教徒が日の出~日没までの断食(サウム・Sawm)を1ヶ月続けるのです。断食と言うと苦しいイメージですが、日没後の断食修了後は「食べて、飲んで、遊んで」とお祭りモードに突入。ラマダンは楽しい時でもあり、断食月終了後はイスラム教徒最大の祭りハリラヤ・プアサが待っています。
始まりはスーパーから
クリスマスなど多くに宗教の祭りがコマーシャリズムに組み込まれています。ラマダンも例外ではなく、この期間はムスリムが多いマレー系住民の一大消費シーズン。スーパーやモールではラマダン・セールが始まり、断食月の訪れを知るのでした。


宗教心が刺激される時期なので、礼拝用のマットなんかもセール。画像中央下のデザインは聖地メッカ(マッカ)にあるカーバ神殿です。全世界のムスリムが巡礼に訪れます。

ラマダン・セールの商品は宗教関連品の他にもハリラヤ・プアサに向けての服飾・食品・装飾品など多岐にわたりますが、まあ何でもありです。
ただクアラルンプールはマレー系、華人系(中国系)、インド系がそれぞれ固まって住む傾向にありますので、マレー系があまりいない地域ではあまりやらないかも。


アイディルフィトリ(Aidilfitri)という表現をよく見かけますが、断食明けのお祭りのアラビア語表現。マレー語のハリラヤ・プアサはHari(日)Raya(偉大な)Puasa(断食)という意味。
ハリラヤ・デコレーションに飾られる街
ラマダンに入ると街は独特のハリラヤ飾りで彩られます。


一番見かけるのが緑と黄色の市松模様。これは細長い葉で編んだ容器に米を入れて茹でたクトゥパッ(Ketupat)をデザインした物で、ハリラヤの定番食物。これがハリラヤ・プアサのシンボルとなっています。


モールなどでは客寄せに「クトゥパッ編み方教室」を開いたりします。





政治家のおめでとうバナーにある Al-Mubarak はアラビア語で「おめでとう」の意。
1446H はヒジュラ暦(イスラム暦)1446年を意味します。
イスラム教の国でも日常生活は西暦を使いますが、宗教関係はイスラム暦を使用。これは西暦622年7/15に預言者ムハンマドが、メディナ(マディーナ)に移住した故事をヒジュラ(Hijra、聖遷)と呼び元年とした暦(こよみ)です。
イスラム暦は月の運行を基準とする太陰暦で1年は354日。毎年季節が微妙にずれるのが特徴で、トラタロウが若い頃はラマダンは冬場でしたね。
※ 各ショッピングモールのラマダン・デコレーションはこちらをご覧ください。
2025 ハリラヤ・デコレーションを見てみた に移動します
ラマダン飲食事情
ラマダンの30日間、子供・病人・妊婦・高齢者などを除いて日の出~日没までの約14時間飲食禁止。喫煙もダメです。同じ苦行を通じて信仰心を高め、日々の恵みに感謝するのです。

日没前の飲食店では届いた料理の前で断食終了の合図を待つ信者を見かけます。日没は厳密な天体観測により定められ、経度が違えば時間も異なりもます。
KL中心部のムルデカ広場には、集まってブカ・プアサ(Buka Puasa)…断食明けの最初の食事を食べようとする大勢の信者がいました。

お持ち帰りはできますが食べられない


※ ラマダン期間各地でお持ち帰り専門の屋台街ラマダン・バザールが開かれます
2025 TAR ラマダン・バザールに行ってみた
2025 カンポンバル・ラマダンバザールで買ってみた に移動します


深夜1時から朝6時まで営業の店
この時期のイスラム教徒は大変。夜明け前に起きて日中分の飲食をしなければなりません。
断食というと痩せそうですが、日没から未明までしか食べられないという制限があると食べすぎるのか太る人が多くなるとか。食料消費量も他の月より増加するのがラマダンあるある。

日没後は普段よりも飲食への需要が高まります。ホテルなどはラマダン・ビュッフェを企画。
一度行ってみたいが夕食の食べ放題はキツイな!


飲食店も日没後のラマダン需要を取り込まんと様々な企画を立てるのです。


デーツ(なつめやし)は乾燥地帯の果樹でマレーシアでは採れません。イスラム教が生まれたアラビア半島では重要な作物で断食明けに食べると良いとされるためマレーシアでも好まれています。
バジュ・ラヤを買いに行こう
マレー系の女性はほぼイスラム教徒で服装規定(ヒジャーブ)があるため民族衣装バジュ・クルン(Baju Kurung)の人が多いです。一方男性民族衣装バジュ・ムラユ(Baju Melayu)はめったに見ません。でもハリラヤ・プアサではバジュ・ラヤ(晴れ着)として家族で民族衣装着用です。

帽子(ソンコッ)を着用

マスジッド・インディアに近いトゥアンク・アブドゥル・ラーマン通りは民族衣装店が並ぶバジュ・ラヤセールポイント。ラマダン後半は沢山の人出で深夜までにぎわいます。




Upin& Ipin は2007年から続くマレーシア最長寿のアニメ番組。架空の農村に暮らす双子兄弟を軸にマレーシアの文化紹介も含めた人気作です。
昨年の独立記念日パレードに主要キャラの人形が登場したら、見ていた子供たちのウケが半端なかった。




マレーシア三大民族のマレー系、華人系、インド系は言語・文化・宗教など異なる部分が多いのです。ただ3民族共にお祭りの時に爆竹や打ち上げ花火が大好き。
ラマダン最終日の夜には、深夜まで打ち上げ花火の音が鳴りやみませんでした。
ハリラヤ・プアサの朝
2025年3/31 ハリラヤ・プアサのの様子をマレー系住民が多いカンポンバルに見に行きました。

イスラム教の礼拝は毎日行われますが、ハリラヤ・プアサの日のそれは特別。多くの参拝者がハリラヤ・バジュ(晴れ着)に身を包みやって来ます。親子連れも多いですね。

女性は別入り口に行きます




竹筒飯(レマン)の販売

右下羊丸焼きはかなり高級品
ハリラヤの最初は家族・親族と交流。ひと段落つくとご近所・友人を招くオープンハウスが始まります。


カンポンバルからマスジッド・インディアに行ってみますとモスクの前でお茶の振る舞いあり。写真を撮っていたら呼ばれてもらっちゃいました。「スラマッ・ハリラヤ・プアサ」(ハリラヤ・プアサおめでとう)とお礼を言います。


バリッ・カンポン(Balik Kampong)という言葉がありまして直訳は「村に帰ろう」。ハリラヤ・プアサの公式な祝日は2日だけですが、実際はもっと長く休む企業が多く、地方出身者が帰省するのです。KLでは、いつもは休日でも車が多い通りがガラガラでした。
コメント