2025年3/1(土)から3/31(月)は全世界のイスラム教徒が断食(サウム、マレー語はプアサ)を行うラマダン(イスラム暦9月・断食月)。日の出から日没まで飲食・喫煙が禁じられます。
毎日苦行でつらそうですが、日没後は飲食自由となり毎日お祭りさわぎ。クアラルンプールのあちらこちらで日没後に食べる料理・菓子を売るラマダン・バザールが開催されます。
その中のひとつ TAR ラマダン・バザールに行ってみました。
TAR ラマダン・バザールの行き方は

TAR はトゥアンク・アブドゥル・ラーマンの略で、マレーシア初代国王様です。マスジッド・ジャメからチョーキットに続く大通りの名前に使われています。
ラマダン・バザールはこの大通りのSOGO近くで開催され、最寄り駅はLRTバンダラヤ駅。マスジッド・ジャメ駅からも行けますが、少し遠くなります。

※ 日本のマレーシアガイドブックの多くが、この通りをトゥンク・アブドゥル・ラーマンとカタカナ表記していますが間違いです。この方は50リンギッ札に載っている独立宣言をした初代首相ですが国王ではありません。
初代国王 Tuanku Abdul Rahman
初代首相 Tunku Abdul Rahman
二人とも同時代の人物で、アルファベットでもカタカナでも1字違いなので間違えやすいですね。ちなみに初代首相も王族です。

※ マレー語で Tunku は王子・貴族、Tuanku は王様を意味します
バンダラヤ駅を出て、左手にSOGOを見ながら東に100mで TAR 通りに突き当たります。
この辺りはマレー系の民族衣装(男性用バジュムラユ、女性用バジュクルン)を売る店が密集しています。断食明けの祭りハリラヤ・プアサでは晴れ着を着る習慣があるので、ラマダン期間は大売出し期間。大勢のマレー系家族が来ていました。




マレーシアにはマレー系、華人系(中国系)、インド系の3大民族がいますが、仕事はともかく日常生活・宗教行事等では接触が少ないです。居住地が分かれており繁華街も民族ごとに異なっていたりします。このあたりはマレー系・インド系の繁華街で華人は少なく、この夜は一人も見かけませんでした。







マレー系食物屋台です

元々ここでは毎週土曜日にTAR通り隣のTAR LOLONG(小道の意)で夜市が開かれていました。
ラマダン期間中はTAR LOLONG に服飾系屋台が毎日店を出し、飲食屋台は土曜日のみTAR 通りを封鎖して出店しています。行くなら土曜日ですね。


客層は99.9%ぐらいマレー系(先住民族含む)で、マレーシアらしい飲食物が並びます。当然すべてハラール(イスラム教徒が飲食可)です。


華人系の夜市の食品は、豚肉が使われている可能性もあるのでイスラム教徒がほとんどのマレー系は足を踏み入れません。華人系はマレー食にタブーは無いので来てもよさそうですが、ほぼ来ません。 東アジア顔はトラタロウのみでした。まあ、写真を撮っているので観光客と思われているな。


大きな円筒形容器に氷と共に入れられた各種ジュース。暑いマレーシアでこれをゴクゴク飲むのはたまりません。でもほぼカロリー過剰の色付き水なので体に悪いな。マレー系の成人5人に1人は過体重か肥満という状況の原因のひとつです。


最近はまった屋台料理がカリカリチキン。鶏むね肉1枚を広げて伸ばし、高温でカリッと揚げました。切ってスパイスをかけてくれますが、カリカリ度合いがすごい。家でサンドイッチの具にしても美味しい。
ただ普段は1枚10リンギッ(¥340)なのに、ラマダン・バザールでは12リンギッとラマダン価格?になっていた。


期間限定服飾屋台街
TARは2つあります。 大通りのJalan TAR と 小道・脇道となるLorong TAR 。
ラマダン期間は Lorong TAR に服飾品屋台通りができます。
看板は BAZAR AIDILFITRI 。アイディルフィトリはアラビア語で「断食」、マレー語だとプアサ。クアラルンプール市の紋章があるのでKL市運営みたい。

服飾系、特に民族衣装屋が多いとトラタロウには無縁な場所かな。でも、いつもと違う雰囲気を楽しみました。








食物屋台群は土曜日だけのようですが、服飾系屋台はラマダン期間中真夜中近くまで営業している模様。ラマダンは昼はつらいが、夜は開放的な雰囲気なのです。
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