自動車優先社会のマレーシアです。クアラルンプール市内でも安全に自転車に乗れる場所は限定されますが、休日の朝のアンパン通り(Jalan Ampang)なら車が少なくて良さそうです。地図を見るとアンパン地区の東にイオンBIGがあるので、そこを目的地に出かけてみました。



出発地点はクアラルンプール最古のモスクがあるマスジッド・ジャメ。3本の市内鉄道の駅がある交通の要衝で、近くにムルデカ広場があります。リトルインディアのひとつであるレブアンパン通り(Lebuh Ampang)を通ってアンパン通りに入りました。


少し進むと前方にKLのシンボルとも言えるペトロナス・ツインタワーが見えます。このまま進みたいところですが、この先500mほどは何故か一方通行。レブアンパン通りからアンパン地区に向かう300番バスと同じく、左折してムンシ・アブドゥーラ通りへ入ります。


ムンシ・アブドゥーラ通り(Munshi Abdullah)はインド系マレー系の繁華街マスジッド・インディアの隣。マレー系の服飾店やインド系の宝飾店が多いのです。
マレー系民族衣装店 JAKEL MALL はラマダン半ば(イスラム教の断食月)からハリラヤ・プアサ(断食明けのお休み)にかけて、朝から晩まで客足が絶えません。


ダワンギ通り(Dang Wangi)に入ると、前方に樹木に覆われた小山が見えます。ここはKL市内に残る自然公園であるKLCCエコパーク。熱帯雨林の保護区で大都会にいながらキャノピーウォークが体験できる貴重な場所。


モノレール駅ブキッナナスを通過するとペトロナス・ツインタワーがはっきり見えてきます。この辺りは両側に巨木が並ぶ、大都会の中心部とは思えない風情。クアラルンプールは始まりが19世紀半ば過ぎと比較的新しい都市。巨木の中にはKL創建時から生えている物もあるかも。


左手の緑の芝生に白亜のしゃれた館。歴史的建築物みたいですがパキスタン大使館。平日は未明からパキスタン人が諸手続きに集まります。

朝から観光客が集まりますが
早朝は逆光ですね。


巨木通りを抜けると右手にペトロナス・ツインタワーがそびえたつKLCC中心部。KLCCはクアラルンプール・シテイセンターの略です。


ペトロナス・ツインタワーの先はオフィスビルが林立するアンパン・パーク。クラナ・ジャヤ線とプトラジャヤ線の駅があります。以前から工事中だった公園が完成していました。
クアラルンプールのモール・グループ、パビリオンがありましたが、その名もエンバシー(EMBASSY)です。

EMBASSYは大使館ですが、このあたりは各国の大使館が多い所。日本大使館もほど遠からぬ所にあります。
また周辺には高級マンションが多く、東京だと麻生みたいな所で日本人にも人気があるとか。まあ、「アンパン」という語感は日本人には違和感がありますが。
近くにあるショッピングモール Intermark Mall のパン屋には「あんぱん」があります。KLには日系のパン屋が多いし、他のパン屋も日本の影響を受けていますので「あんぱん」はかなり売られています。名称は「Red Beans」だったりしますが。
「たこ焼き」はそのまま通じます。屋台の安いいヤツだと、タコ入っていませんけど(笑)。



ロシア大使館の斜め向かいにフィンランド大使館があるようです。かつて大戦争した国同士がご近所なのね。ウクライナ大使館もそんなに離れていません。



Gleneagles 病院から少し行くと、そこはアンパン地区ではありますがクアラルンプールではなくセランゴール州になります。実は連邦直轄領クアラルンプールは南北20Km、東西10Kmほどしかありません。首都で大都市のはずなのに人口200万人(札幌市ぐらい)程度なのは範囲が狭いため。都市圏(経済・文化などで都市の影響が及ぶ範囲)人口だと800万人を越えます。


歴史がありそうな繁華街アンパン・ポイント。KLは地域によって住民の民族が違いますが、この辺りはパキスタン人や西アジア人が多いみたい。アラビックな店や料理店が多いのです。


やがて右手にLRTアンパン駅、左手にKAMPUNG MELAYU (マレー村)の看板。MELAYU(ムラユ)はマレーの別な表現で、マレー語はBahasa Melayu になります。
行ってみると一軒家の多い居住区。国旗がたくさん飾ってあるのでマレー系が多いことが分かります。華人系やインド系の居住区にはあまり国旗はありません。


モスクがあり、その境内にいろいろな屋台店がでていました。お客はほぼ100%マレー系で、東アジア顔は珍しがられます。


この辺りは国旗とともに赤・黄・星のセランゴール州旗(トップ画像に出ています)を飾る店や家がありました。


道教寺院九皇爺南天宮がある
LRTアンパン駅を過ぎて右手に中華仏教寺院などの漢字の看板が見えます。この辺りは華人の居住区で福建系華人が多いみたい。アンパンは漢字で安邦とかきます。
※ 2024 KL最大級の中華屋台が出る九皇爺南天宮の祭りに行ってみた
※ 2024 中元節を九皇爺南天宮で見てみた
などで紹介しています。

高架道路下の道を行けば左手は2階が住居となった古いタイプの商店街。道路が大きく右手に曲がるあたりが目的地イオンBIGアンパン店。ここまで約13Kmです。


イオンBIGアンパン店にはクルアーン(コーラン)の字句をデザインしたカリグラフィーや聖地マッカ(メッカ)の写真を売る店があり、イスラム教徒が多いマレー系が客層ですね。

華人系の多い地域のスーパーは豚肉や酒を扱っていますが、NOハラール(イスラム教徒飲食不可)として別コーナーに置かれます。ここは豚肉・酒の扱いはないみたい。


帰路アンパン駅付近まで戻ったら雲が厚くなり雨の気配。大丈夫かもしれませんがマレーシアの豪雨スコールの中、自転車は危険なので電車で帰りました。このフォールディングバイクは重いし難点が多々ありますが、折りたたみやすいのとたたんだ状態で転がしていけるのは重宝します。
※ KLで乗るための自転車を買ってみた(回想) に移動します
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