将来マレーシアで生活しようと10年前にMM2Hビザをとりましたが、その頃からマレーシアで自転車に乗ってみたいと考えていました。昨年クアラルンプールに移住し、持参した自転車をおっかなびっくり乗り始めて早1年。だいぶKLでの自転車使用にも慣れてきたので新カテゴリー「自転車生活」を作ります。
まずどんな自転車を購入したかをまとめてみました。
どんな自転車がKLには向くの?
自転車に乗って25年になります。太りやすい体質なのでジョギングなどしていましたが、あまり楽しくない。
やはり運動は生活に組み込まなければダメと悟り、ロードバイクを買って通勤に使ってました。
KLに来るまで乗っていたロードバイクは18年ほども使い、走行距離は実に8万キロ(地球2周に相当します)。移住の時に廃棄しようかとも考えましたが、愛着があるので実家に預け一時帰国の時乗っています。
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KLでもロードバイクに乗れるかな ? と思いましたが、車・バイク優先の道路状況を見るとそれは命がけ。おとなしく安全に乗るためフォールディングバイク(折りたたみ自転車)でいいや。普通の自転車にないメリットも多いので。
フォールディングバイクの良いところ
① 最大の利点は電車と組み合わせられる。たためばKLでも電車に持ち込み可能なので疲れたら電車で帰る。または電車で遠くに行って現地で自転車に乗る。いわゆる「輪行」が楽です。
※ ロードバイクでも輪行可能ですが、分解・収納に20分以上かかります。フォールディングバイクなら数分で可能。
② たためばマンションでもエレベーターに乗せられ、部屋に収納可能。盗難も防止できます。
③ マレーシアに持ち込む時も国内移動や飛行機への積み込みも楽かな。
④ はたしてマレーシア自転車生活が可能か ? お金はあまりかけたくない。フォールディングバイクも価格はピンキリで選択肢が広い。
※ フォールディングバイクは小さめのため一見軽そうですが、重量は材質によります。
安い物はスチール製なので見かけよりも重いのです。またギアの有無などでも違いますのでフォールディングバイク=軽い、訳ではありません。
たたんでも転がせるフォールディングバイクがほしい
フォールディングバイクは様々な物が販売されていますが、ほとんどの物はフレーム(車体)が折りたためるタイプの物。車のトランクに入れて現地で乗るような使途にはOKですが、輪行中心だと使いにくい。たたんでバックに収納した自転車は狂暴な重さになるのです。それを担いで駅の通路を長く歩くのは拷問ですよ。
こだわったのは折りたたんだ状態で転がせるフォールディングバイクであること。探すとありました。
CMS BIKE という名前です
CMS BIKE はカタログスペックではトラタロウの要求をほぼ満たします。価格は¥39800、設計は日本だが製造は中国というのが気になりますが、今日多くの品物が Maid in China ですから大丈夫かな…甘かった。
車体が14Kgと重いですがこの価格ではしかたがないし、転がせるなら気にならないでしょう。軽くて折りたたんでも転がせるフォールディングバイクもあるのですが、お値段がすごい事になります。自転車業界知らない人には信じられないぐらいの価格です。
次から次に問題発生
マレーシアに行く2年前に上記のフォールディングバイクを買いました。時々乗っていれば不都合や不備や不満足が見つかって移住前に問題を解決できるはず。すると予想をはるかに越え不都合・不備・不満足がワンサカ出るではありませんか。
① 乗ると前傾しすぎる
自分の体に合わせてバイクを組んでもらうオーダー方式なら別ですが、既製品は自分の体に合わせた調整が必要になります。
このバイクに乗ってみるとハンドルが低くて前傾姿勢になりすぎ。ハンドルの支柱部分は上げることができるので、上げて間にリングを2つかませました。
まあオーダーで組んでも微調整は必要になることが多いので、これぐらいは仕方がありません。
② サドルが壊れた
いくらも乗らないうちにサドルがバキッと壊れました。「サドルって壊れる物なのか?」、前述の18年乗ったロードバイクのサドルは、表面はボロボロになるのでボンドで修理しますが本体は壊れません。長距離仕様に改造した時、サドルも替えましたがまだ使える状態なのでとってあります。
どうもこのCMS BIKE とやら安く作るため思いっきり安物のパーツを使っている部分があります。保証期間内なので代替品をもらいましたが、これも安物。結局自分で買いました。
③ ペダルが壊れた
ペダルはかなり負荷がかかる部分ですが普通は壊れません。フォールディングバイクによくつかわれる折りたたみ式のペダルがついていたのですが、これもバキッといきました。
送られてきた代替ペダルもいかにも安物。マレーシアで壊れるとどうしようもないので、自費で頑丈なアルミ製に交換。
④ シートピラーが下がる
サドルを支える支柱がシートピラーですが、乗っているとだんだん下がっていきます。ここは身長に応じて調整できる部分ですが、シートピラーと車体の留め金部分の精度が低くて締められません。アルミ缶で隙間をふさぐように工作してみましたが、それでも下がっていきます。行きつけのプロショツプに行ってみたら、しっかり締められる締め具があり交換です。
⑤ 左のグリップだけ痛い
どういう訳か左グリップだけ手のひらが痛くなります。左だけ柔らかいタイプに交換。これはバイクが悪いのか、自分がおかしいのか不明ですね。
ちなみにグリップは左右でワンセット。左だけとかはありません。片方は予備にします。
⑥ ディレーラーガードが役に立たない
ディレーラー(変速機)は精密な部分です。バイクを倒してしまった時に痛めないように鉄棒のガードがついていました。
ところがこいつが何の役にも立ちません。ある時倒してしまいディレーラーが狂いました。ガードは何していたかというと、曲がっていました。
ディレーラー調整は素人には難しいのでプロショツプでやってもらって \600 。
以上はお金を出せば何とかなる部分です。次は努力と注意が必要な部分です。
⑦ 折りたたみの調節が困難
このフォールディングバイクはX字型にたためるという、なかなか精妙な設計です。その反面乗っているとガタがきやすい。ネジをしめるとガタはきませんが、折りたためなくなります。
ガタは少ないがたためる絶妙なしめ加減としめるポイントのネジを探すのに悪戦苦闘しました。中心部より前部のネジがポイントでした。解説書に書いておいてほしい。
⑧ ハンドルバーの支えが不安定
ハンドルバーは中間で二つに分割できます。ネジ式で連結するので強度に不安はありませんが、ハンドルバーとフレームの固定が怪しい。
左右をプラスチック的な部品で挟み、固定しますが、これが妙に柔らかい素材。乗っている時に片方に重さがかかりすぎると「クニャッ」という感触が伝わってきて不安。片側に重さが集中しないように注意。
⑨ スタンドの調整が難しすぎる
スタンドがついていますが、タイアを固定する部分と調整箇所が同じ。このような設定は珍しくないが、これは調整が難しすぎる。
絶対必要な機能ではないので最近スタンドは使わなくなった。ついているだけです。
⑩ ペダルをはめるネジ山がもろい
ペダルはバイクの回転する部分(クランク)から出ている部分にはめます。ネジ式ではめるのですが、このバイクのそれはネジの溝が妙にもろそう。
ここが壊れると他が大丈夫でも乗れなくなります。
いやいや、とにかく問題出まくりでした。18年乗ったロードバイクは自分の体格に合わせる初期調整以外はほとんど問題がなかったのに。この相違はズバリ価格の違いかな。18年ロードバイクは型落ちで安かったのですが、それでも40万円。メインのパーツはシマノのデュラエースという最高級品。様々な部品の精度は高くかつ頑丈、壊れる方が珍しい。4万円を切る怪しげな中国産に同じレベルを求めてはいけません。
イギリスの老舗フォールディングバイク・メーカーにブロンプトンという会社がありまして、ここの製品なら折りたたんでも転がせるし、こんな苦労はなかったでしょう。でもお値段は20万~70万円するので厳しい。まあ苦労の甲斐あって何とかKLでもCMSが乗れるようになったのでよしとします。
ちなみにこのバイクまだ売られていますが、価格を3万円ぐらいに下げるショップも出てきました。でも購入はオススメできません。とにかくパーツが壊れる and まともに乗れるようにする手間が多すぎるし多少の知識もいります。奮発してブロンプトン買いましょう。世界最高と言われるフォールディングバイクです。
※ ブロンプトンのHP に移動します
KLでも乗っている人います、いいなあ
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