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大きなインド人街のあるクランの街を歩いてみた

インドよりもインドらしいクランのインド人街

 マレーシアの人口の7%ほどはインド人。クアラルンプール市内にもインド人が集まって住むインド人街リトルインディアがいくつもあります。KLの西にあるセランゴール州の街クラン(Klang)には大きなインド人街があるというので行ってみました。古いモスク・寺院・教会や街並みも残るなかなか歩きがいのある街なので紹介します。
※ 1リンギッ=¥34 で計算

クランへの行き方は?

地図1
KLからクランはバスで1時間

 クランはKLの西26Kmに位置する古い街です。KLセントラル駅からKTM(マレーシア鉄道)のポートクラン線が出ているのでアクセスも良好。でも色々調べるとKTMは使いにくそうなのでバスで行ってみます。

 クラン行きのバスが出るのはKL中心部のお土産物市場セントラルマーケットの真向かい。チャイナタウンの隣かつLRTパサースニ駅の隣です。背後にはTravelodge Chinatown という目立つ外見のホテルがあるので迷いません。
 ただバス停には何の表示も無く、あるのはHOPON-HOPOFF観光バスの表示だけというのが難ですね。

セントラルマーケット
バス停から見たセントラルマーケット

 このバス停からクランのバスターミナルに行く710番バスが出ます。701番バスでも行けるようですが、これはポートクラン行きらしく、途中で降りる必要があるみたい。
 ネットで調べると始発は7:45のようですが、通勤に使われるバスにしては遅すぎる。7時に行って待っていたら 7:15にでる便が来ました。現金払いのみですが、3.5リンギッ(¥119)とお安い。

※ マレーシアの交通機関情報で出発時間などはあまりあてになりません。目安ぐらいに考えましょう。

ゲート上
KLとセランゴール州の境のゲート

 バスは市街地から西に向かう国道2号線を進みます。しばらくするとセランゴール州に入りますが、2号線沿いは人口周密地帯でほぼKL首都圏の内側です。
 連邦直轄領KLは狭いので人口は190万人ほどですが、KLを囲むセランゴール州は人口660万人。KL都市圏の人口は850万人ほどですのでセランゴール州のかなりがKL都市圏に入る勘定ですね。

※ 都市圏とは中心になる都市とその影響を受ける周辺部を合わせた地域のことです。

バスターミナル1
クランのバスターミナル
バスターミナル2
バスタ周辺もいい感じ

街歩きを始めます

 クランのバスターミナルは街中を流れるクラン川の北側にありました。川を渡ると東側にKLMクラン駅があり、その周辺が旧市街みたい。あいにく曇り空ですが、雨さえ降らなければOK。

地図2
MydinKlangのあたりがバスターミナル、赤ラインが歩いたルート
橋
橋を渡る、前方にモスクあり
川
橋の下はクラン川

 クラン川はKL北東の山中から流れ出し、KL市内からセランゴール州に入りポートクランのあたりで海に出ます。KL市内では浅く幅も狭い川ですが、この辺りではずいぶん広い川になっていました。

モスク1
なかなか立派なモスク、マスジッド・インディア
駅1
左手にKTMクラン駅
消防署
1890年建造のヴィクトリア様式の建物

 右手に赤白に塗られた派手な建物。1890という建設年と BOMBA の文字。これってマレー語で消防署の意味で消防車も見えた。えらく由緒ある建物の消防署で関心しました。

女子生徒1
水色制服の女子生徒登校中
女子生徒2
絵にも描かれる水色制服

 橋を渡るともうリトルインディアの一角。インド系商店が始まります。登校する女生徒もインド系の子が多いです。制服が水色なのはKLと同じかな。

旗
セランゴール州の旗が飾られる
イドゥリ
インド風ナシレマとイドゥリ

 とりあえず開いていたインド軽食店で朝ご飯。南インド朝食の定番イドゥリ(米粉蒸しパン)とインド風?ナシレマ(サンバルがカレー味だった)、そしてチャイ(ミルク紅茶)。計10.7リンギッ(¥364)でありました。
※ インドの朝食についてはこちらをご覧ください
  世界のB級グルメ/15 朝食 in インド に移動します

ヒンドゥー教寺院1

  スリ・ナガラ・タンダユタパニ寺院(Sri Nagara Thandayuthapani Temple)はインド人街のすぐそばにあるヒンドゥー教寺院。マレーシアのインド系は南インドルーツが多いため、ドラヴィダ様式ゴプラムと呼ばれる神々の像をあしらった搭門があるのが特徴です。
 KLチャイナタウン西側にあるスリ・マハ・マリアマン寺院も同じ形式。古い寺院はドラヴィダ様式が多いのです。

ヒンドゥー教寺院2
御本尊はどちら様?

 寺院の入り口のゲート上には左端にシヴァ神の息子ガネーシャ神、右端にその弟神ムルガン神。そして中央に女神様。緑の衣装でサトウキビを持つとなると兄弟神の母パールバティ神かその化身かな?

ヒンドゥー教寺院3
朝からお参りの信者
ひ4
神官が勤行を行う
ヒンドゥー教寺院5
聖なる牛ナンディー像
地図4
このルートはモスク、寺院、教会
仏教寺院を巡る感じ
モスク2
マスジッド・インディア裏面

 ヒンドゥー教寺院からマスジッド・インディアの裏側もよく見えます。大きさの割に立派なモスクだな、と思っていたらミナレット(尖塔)が4本もありました。
 国によってはミナレットの数が格式を表わし、4本もあれば国宝級のモスクだったりします。マレーシアにはそんな基準は無い様子ですが、あれば2本クラスかな。
 

 大通りを南下すればリトルインディアですが、まだ多くの店が開店していません。あとでまた来ることにします。

学校
1928建造のミッション系学校
聖母教会
その隣には聖母教会

 イスラム教のモスク、ヒンドゥー教寺院の他にキリスト教の教会やミッション・スクールが多い土地でした。実はキリスト教徒はKLを例にするとイスラム教、仏教、ヒンドゥー教に続いて多いのです。
 旧英植民地だったこと、南インド人もキリスト教徒が多いことが原因。マレー系以外の先住民もキリスト教徒が多く、サラワク州だと人口の39%とイスラム教徒の37%よりも多いとか。

中国寺院1

 Kwan Inn Temple Klang(観音亭)は1892に建立された観音菩薩をお祀りする仏教寺院。この街は華人(中国系)の影響が薄いのかなと思っていましたが、23%ほどもいるようです。でも他の都市よりは華人比率は少ない模様。

中国寺院2
四天王が配置される前堂(左)
中国寺院3
本堂には観音菩薩像
中国寺院4
観音像がある池
中国寺院5
金の蛇や財神もいます

 「金の蛇」「財神」も富貴を象徴しますが、仏教ではなく中国の民間信仰である道教が由来。
でも日本人がお寺にも神社にも行くみたいにどちらも華人に信仰されています。

 

公園1
樹木の茂る小山
猿
猿の群れがいました

仏教寺院の南は Taman Bandar Diraja Klang という公園。小さな山が緑豊かな公園になっており、ここを抜けると王宮が見えるポイントがあります。

公園2
板根の樹木発見
公園4
根っこごと倒れた樹木(2023年)
根が横に広がっています
クポンバル周辺

 暑さと湿度のため落ち葉などの分解が早い熱帯の土壌は、実は意外に薄いのです。特に養分を含んだ表土が薄く、熱帯の樹木は根を下ではなく横に広げる傾向にあります。このためちょっとした嵐で大きな樹木が簡単に倒れたりするので危険。
 大きく育つ樹木だと横に広げた根だけでは樹幹を支えることができないため、板根という平板状に変化させた部分を肥大させます。

地図5
山の中の公園を越えて宮殿へ
蚊がいるので立ち止まらないように
宮殿
宮殿は原則非公開、外観のみ

 Istana Alam Shah はセランゴール州のスルタンの宮殿です。スルタンはイスラム世界の世俗君主の名称で過去最強イスラム帝国オスマントルコの皇帝もスルタンでした。マレーシアには13の州がありますが7州にスルタンがおられ、宗教指導などで強い影響力を保持しています。
 7人のスルタンのひとりが5年ごとに互選(実際は持ち回り)で、マレーシア全体の王であるアゴンに即位されます。現在のアゴンはジョホール州のスルタンでKLのイスタナ・ヌガラ(国立宮殿)に住んでおられます。

モスク3
巨大な一本ミナレットのモスク
モスク4
ustaz(ウスターツ)宗教教師の表

 公園から西側の街道に進み、Sultan Suleiman Royal Mosque に着きました。1932年の建立ですがイスラム世界だけでなく、欧州の建築様式も取り入れているとか。国によっては伝統的なモスクしかありませんが、マレーシアは寛容で様々なモスクが見られます。クラン北側のMasjid Bandar Diraja Klang Utara もミナレットが独特でした。

モスク6
ミナレット先端が珍しい様式のモスク
店
華人の店もあります
学校2
華人学校発見、巴生中華独立中学

 看板や学校名を見ると、どうやらクランの漢字名は「巴生」というらしい。巴生の読み(広東語、福建語、北京語etcで音が異なるかも)は知らないが、「クラン」という音に近いとは思えない。
 まあクアラルンプールの漢字名も「吉隆坡」(音はジーロンポー)で全然合っていないけど。
 マレーシアは「馬来西亜」で納得いきます。
セランゴールは「雪蘭莪」でした。

地図6
旧市内中心部に戻りました
ギャラリー1
白亜の立派な建物は何?
ギャラリー2
歴代スルタンを紹介

 中心部にある白亜の建物は Sultan Abdul Aziz Royal Gallery 。博物館のようだがひたすらセランゴール州スルタンの紹介ばかり。もう少し州の歴史とかも入れてほしいが、入場無料なので文句も言えない。

市内中心部1
中心部の古い建物
駅2
KTM駅舎も趣があるが

 KTM駅舎の南に広がる市内中心部は、なかなか昔の建物が残っていていい感じ。KTM駅舎も風情のある建物だが、昼間は発着が無いためか閉まっていた。

中華カフェ
中華カフェのたたずまい
バス
州旗をイメージした市内バス
壁画1
ただの路地裏だけど壁画に飾られる

 巴生壁画となぜかグーグルマップでは漢字表現。市内中心部の通りのひとつがウォールアートに飾られています。

壁画2
動物物が多いかな
壁画3
喰われそうです

クランのリトルインディア散策です

インド人街1
クランのインド人街入り口付近

 クアラルンプール市内最大のインド人街(インド人による商店・服飾・装飾・飲食・宗教関係の店舗が密集している場所と定義します)はKLセントラル駅に近いブリックフィールズでしょう。
 ここクランのインド人街は国道5号線沿いに約400mの長さ。沿道両側にインド人の店がぎっしり並び、明らかにブリックフィールズのそれを上回る規模です。違いはブリックフィールズは観光地的な雰囲気があるのに対して、クランは完全に地元インド人御用達ですね。派手な所は両方とも同じですが。

インド人街2
看板にはタミル文字もあり
インド人街3
通行人もほぼインド人

 とにかくここはインド人率が高い! マレーシア全体の民族比率はマレー・先住民系70%、華人系23%、インド系7%という所。都市部は経済を握る華人系・インド系が多く、KLではそれぞれ48%10%。クランではマレー・先住民系50%、華人系23%インド系17%インド系の比率がどこよりも高いのです。

菓子
好きなインド菓子の素各種ありました
昼食
セルフのインド料理店でお昼ご飯

 お昼ご飯は当然インド料理。KLのインド人街で見かけなかった料理があるセルフの店発見。
カレー2種、野菜3種、卵料理などいつもより種類を多く取ったので16.8リンギッ(¥571)と少し高めとなりました。

インド人街4
小さな店舗が沢山並びます

 なんでこんなにインド人が多いの? クアラルンプールは実は比較的新しい街であり、発展して首都になったのは19世紀末のこと。それまでイギリスのマレーシア支配の拠点はここだったみたい。
 プランテーション農業や錫鉱山の労働者として南インド人が最初に送り込まれたのがクランでした。

インド人街5
インドっぽいね
インド人街6
ボリウッドの看板あり

 インド南西部の大都市ムンバイ(旧ボンベイ)はインド最大の映画の都。Bombay Hollywood を混ぜた言葉が Bollywood です。
 KLリトルインディアのひとつマスジッド・インディアには、インド映画ばかり上映している映画館コロシアムがあります。

インド人街7
ヒンドゥー教関係の小物
インド人街8
神様や聖牛の像、仏像もあり

 ヒンドゥー教寺院でブッダ像を見かけることがあります。ヒンドゥー教ではブッダはヴィシュヌ神の化身のひとつとされるのです。
 仏教はヒンドゥー教の神々を守護神として取り込んでおり親戚みたいな関係。マレーシアのインド人に人気のムルガン神は仏教では韋駄天という神様。日本では「足が速い」ことのシンボル的存在のあれです。

インド人街8
また来たいなクラン印度人街

 クランはガイドブックにも載っていない街ですがなかなか良いスポット。特に良いのが市内中心部徒歩圏内に見所が集中しているところ。インド人街とKTM駅周辺の旧市街だけなら2~3時間で観光できちゃいます。KLから1時間で来れますので古い町並み・雰囲気がお好きな方にオススメです。

行って調べて気づいたこと

駅3
謎のLRT駅発見

 クラン・バスターミナルの北側にグーグルマップにも載っていないLRT駅を見つけました。
 調べてみたら2025年に開通予定のLRTシャーアラム線パサール・ジャワ駅みたい。
 シャーアラム線はMRTカジャン線LRTクラナ・ジャヤ線とも接続予定なので、KLからのアクセスが良くなりますね。

 クランの南側は開発が進んでおり、ブキッテンギには東南アジア最大のイオンがあるとか。   ここも行ってみたいがKL中心部から直通バスは無く、クランで乗り換えが必要。
 でも前述のLRTシャーアラム線が開通したら直通駅ができるので、簡単にアクセスできそうです。

 今までセランゴール州はあまり行ったことがありませんでしたが、今後行くのが楽しみな場所です。

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