クアラルンプールのあちらこちらで MALAYSIA MADANI という文字を見かけます。これは2023年1月から始まったアンワル・イブラヒム政権の政治理念を表す言葉です。
KeMampanan(持続の可能性)、KesejiAhteraran(繁栄)、Daya cipta(創造性)、HormAt(敬意)、KeyakiNan(信頼)、Ihsan(思いやり)を意味しているとか。
これに基づきMADANIの根本にある「多民族の融和」をテーマにした児童画を描かせなさい、と教育省のお達しでもあったのかな(トラタロウ推測)、小学生の描いたMADANIイメージ画を発見したので見てみました。
MADANI画優秀作品が展示されていました
某月某日某ビルディングに入ったところ、マレーシア3大民族(マレー系、華人系、インド系)+ 先住少数民族のデコレーションと共に児童画の展示がありました。
どの児童画も 国旗、MALAYSIA MADANI の文字と共に多民族とマレーシアらしい文物が描かれます。優秀作品なのかなかなか上手な絵でした。
8月31日の独立記念日が近いので、企画されたのかな。独立記念日を祝う言葉も入っていました。
小学校前に作品が展示されていました
これも某月某日某地域を自転車で走っていたら発見しました。MADANI をテーマにした旗を作ったようです。これはグループでの作品みたい。
ちなみにマレーシアは義務教育では民族ごとの学校を認めています。KLのような人口が多い所ではマレー系、華人系、インド系ごとに学校があります。
ここはマレー系の学校のようでした。華人系、インド系の学校はこんな活動には冷淡な気がします。
小学生が選んだマレーシアらしい文物はなに?
14作品を紹介しましたが、国旗・三大民族はほとんどの作品に描かれています。その他にもかなり共通して描かれる文物があるのでチェックして順位付けしてみました。
1位 ハイビスカス(10/14作品)
国花なので当然と言えば当然。ちなみに日本の国花は桜と言いたいところですが菊。皇室のシンボルでもありパスポートの表紙です。
1位タイで ペトロナス・ツインタワー(10/14作品)も描かれています。マレーシアというよりKLのシンボルですが、KLの小学生の絵ですので。
意外と言っては失礼ですが、3位(7/14作品)に入ったのがKLタワーでした。ツインタワーに比べると地味な感じですが、小学生的にはインパクトあるのかな。遠足で行っていたりする?
ツインタワー(452m)を越える高さのムルデカ118(679m)やエクスチェンジ106(492m)は1作品に出たのみ。やはりペトロナス・ツインタワーとKLタワーがクアラルンプールの顔ですね。
4位は同得票(3/14作品)で2つありました。
ひとつはオラン・アスリ (Orang Asli)と呼ばれるマレー系以外の先住少数民族です。時々民族衣装の画像やお祭りでその姿を見ますが、普段着で出会ったら日本人にはマレー人と区別できませんね。
もう一つは世界最大の花であるラフレシア。かつてサバ州で見ました。道路に近い農園の一角だったので観光客を呼びやすく、持ち主は参観料でウハウハだったでしょう。
※ オランはマレー語で「人」です。「日本人」はオラン・ジュプン、「森の人」はオラン・ウータンです。
他には独立宣言をする初代首相トゥンク・アブダル・ラーマン、伝統凧、トラ、カメ、ドリアンなどが描かれていました。みんなマレーシアらしくて良いですね。
マレーシアにもかつて5月13日事件(1969年)という200名近い死者をだした民族対立がありました。
MADANIの全てが可能だとは思えませんが、「多民族の融和」はなんとか維持してもらいたいです。これがダメだととても移住なんてしていられません。
※ ただいま一時帰国中です。この記事も日本からアップしています。
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