マレーシアは人口の7%がインド系住民でヒンドゥー教徒が多い国です。特に首都クアラルンプールにはあちらこちらにインド人コミュニティがあり、ヒンドゥー教寺院も多いのです。
マレーシアにあるヒンドゥー教寺院は華やかな物が多く、鮮やかに彩色された神々の像が祀られます。インド本国のそれより美しく、楽しいので訪れる価値あり。特に新しく建立された寺院にその傾向が強いのですが、インド人の多いブリックフィールズに新寺院ができたので行ってみました。
※ 新寺院オープンは1/21ですが、その後タイプーサム、MM2H更新、春節などがあったので記事にするのが遅くなりました。
ブリックフィールズはインド人街です
クアラルンプールに来た観光客の定番訪問地がスリ・マハ・マリアマン寺院。近年改装されきれいになりました。また、ヒンドゥー教の聖地バトゥ・ケーブにもドルガー神を祀る新寺院が完成しました。
どちらもインドにもないような華やかで人目を惹く寺院でオススメです。
新しくなったスリ・マハ・マリアマン寺院については、こちらをご覧ください。
新装公開スリ・マハ・マリアマン寺院に行ってみた
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バトゥーケーブの新寺院については、こちらをご覧ください。
バトゥ・ケーブの新寺院を見学してみた に移動します。
クアラルンプール中心部でリトル・インディアとも呼ばれるのがブリックフィールズ。インド音楽の喧騒の中で、インド料理、民族衣装、食品などの店が軒を連ねる一角です。
でも、祠程度の小さい寺院はあるのですが、インド人街にふさわしい寺院が無いのが不思議です。実はヒンドゥー教寺院は別な場所にあるのです。
毎朝ウォーキングをしていますが、コースはその日の気分しだい。1月の半ば未明、リトル・インディアの北東にある JALAN SCOTT を歩いていました。ここは観光客は来ませんが、インド系の居住区で3つのヒンドゥー教寺院が連なる所なのです。
すると突然新しい寺院が出現していました。まあ、以前から建設中だったんでしょうが、カバーされていて全然気づきませんでした。見慣れぬ武人がご本尊のようです。
Kuil Sri Maha Muneswarar の文字があるが、左から「寺院」「輝ける」「偉大な」を意味し、Muneswarar が神様の名前みたい。
調べてみるとムニースワラル神といい、シヴァ神の化身のひとつらしい。とくに南インドで崇拝されており、タミル系インド人の多いマレーシアでは人気の神様だとか。
※ 化身とは神が別な姿で現れること。ヒンドゥー教はこれが多いので神様がいっぱいです。ちなみに英語では「アバター」といいます。
1/21 新寺院オープンの朝に行ってみました
クリシュナ神寺院とハヌマーン神寺院はこの記事で紹介しています
2023ディパバリの夜、ヒンドゥー教寺院に行ってみた に移動します
インドの女性はほぼ100%民族衣装であるサリーやパンジャービドレスを着ていますが、マレーシアのインド系女性は普通の洋装が主流です。でも宗教行事や祭りの時は民族衣装を着る人が多いですね。
屋根の上から神官たちが祈りを唱え、信者が唱和します。祝福の花びらがまかれるなか、新寺院の開山が宣言されて歓声があがりました。寺院の両脇では用意されていた聖水がまかれ、信者はそれを体に浴びて穢れを払うのです。聖水をもらって帰る人もいます。
新寺院の内部を拝見しました
オープン当日は混乱を避けるためか、狭い寺院内部は一般非公開。後日落ち着いたころに内部を見に行きましたが、新しくて華やか。諸神像も沢山配置された見ごたえのある寺院でした。
ここに祀られるムニースワラル神は、ヒンドゥー教の主神の一人、壊と創造の神シヴァ神の化身。ひげをたくわえた武装する男性の姿で表現されています。少し離れた場所に古い寺院があってそれを拡大・再建したようです。
寺院内にはムニースワラー神のみならず、様々なヒンドゥー教の神々の像が配置されています。それは本国インドの寺院では見られないほど写実的かつ華やかな色彩で作られ、ヒンドゥー教の神々・神話に対する興味をかきたてられますね。
マレーシアのヒンドゥー教の特徴の一つがムルガン神信仰が強いこと。ムルガン神はシヴァ神の次男で戦神。悪神アシュラとの闘いで大活躍し、南インドで特に人気があります。南インド系のタミル人が多いマレーシアでは特に崇拝され多くのムルガン神寺院があります。
バトゥーケーブで行われる祭りタイプーサムはこのムルガン神をたたえるものです。
タイプーサムの様子はこちらをご覧ください。
2024 タイプーサムに行ってみた … 苦行がソフト化していました
この寺院のありがたいのが神像に名前の表示がついているところ。トラタロウも神像の特徴や持ち物等で識別できる神様もいますが全部は無理。名前がついていると助かります。
休日だったので朝から熱心な参拝者が来ていました。神官の先導でご本尊にお参りします。
トラタロウはインド渡航歴6回で様々なヒンドゥー教寺院を見ています。でも建物はともかく神像を見てもそんない面白いものではありません。多くは石造でよほど詳しくないと神様の特定ができないのです。
マレーシアの神像は御覧のように写実的で神様の特徴が分かりやすく、少し知識があれば神様の特定ができるので楽しい。寺院自体も明るく華やかで良いです。
4つのヒンドゥー教寺院が並ぶ JALAN SCOTT は観光地であるブリックフィールズのリトル・インディアから北東に1Kmほど、徒歩15分で着きます。ヒンドゥー教とその神々に興味のある方にはオススメ。
ただし観光地ではないのでいつも開いているわけではありません。また地元参拝者のジャマにならないよう心掛けましょう。周囲にはリーズナブルなインド料理食堂も多いのも魅力です。
お知らせ
トラタロウ一行は明日から3週間ほどベトナムに行ってきます。
現地より旅行情報を『トラベルダイアリートラタロウ』で発信したいと思いますので、興味のある方はご覧ください。
『KLダイアリートラタロウ』は旅行中の更新は休ませていただきます。
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