パンナコッタ(Pannacotta)は1980年代に日本にも広まったイタリアの冷菓。Pannaは生クリーム、Cottaは「火を通した」というイタリア語ですね。すごく美味しいのに作るのは超簡単という優れ物です。
マレーシアに移住して初めて作りましたが、今まで作らなかったのは生クリームが高かったから。日本でも生クリームは高いですが、「ホイップ」「フレッシュ」といった名称で、安い植物性脂肪の生クリームもどきがあります。バターとマーガリンの違いみたいな物ですが、これでもけっこう美味しく作れました。
マレーシアにはこれが無く、高い動物性脂肪の物のみ。ところが先日スーパーの見切り品で半額になっていたので買い込みました。
※ あれ、考えてみたら正価でも8リンギット台(¥240程度)。日本で買うよりずっと安いよね。これからもっと使おうかな。
パーセント表示ではないですが、100mL で乳脂肪分26g なら25%ぐらいかな。あまり乳脂肪分が高いとくどくなるので適当な含有量です。
生クリームって何?
製菓・調理によく使う生クリーム。乳製品であることは知っていますが、どうやって作るの?
搾った牛乳を置いておくと比重の軽い乳脂肪は上に集まり固まっていきます。これが生クリームで乳脂肪の多いミルクと思ってください。牛乳の脂肪分は4%前後なのに生クリームは20~50%もあります。
生クリームを除いた物が脂肪分の無いミルクでスキムミルクと呼ばれ、粉末で販売されています。漢字の名称は「脱脂粉乳」とそのまんまですね。第二次世界大戦後の学校給食はアメリカが供与した小麦粉と脱脂粉乳に始まりました。まだ加工技術が未成熟で、お湯で溶いた脱脂粉乳は相当にマズイ代物だったそうです。
現在売られている牛乳は脂肪球を細かくして、生クリームとスキムミルクに分離しないようにする加工・ホモジナイズ(均質化)が施されています。
※ホモジナイズについてはこちらのサイト が詳しいです
材料はたったこれだけ
左上から時計回りに
生クリーム…200cc(¥120)
砂糖…100g(¥10)
牛乳…180cc(¥36)
バニラ・エッセンス(¥10)
ゼラチン…250ccを固める量(¥30)
およその材料費(1リンギット=¥30で計算)を書きました。200円くらいで5~6人分できます。
砂糖100gのうち50gを使ってカラメルソースを作ります。プリンと同じぐらいの濃度でOK、まあお好みですね。
トラタロウはカラメル好きなので、砂糖を20g追加、計70gで作りカラメル・マシマシにしました。
カラメルソースが熱いうちに適当な容器に流し入れておきます。
鍋に牛乳と残りの砂糖50gを入れて加熱。50℃くらいになったらゼラチンを入れてよく溶かします。ほぼ失敗の無いお菓子ですが、牛乳を高温にしすぎると固まりにくくなりますし、低温すぎるとゼラチンが溶けにくくなるのでここは注意。
砂糖、ゼラチンが溶けたら火を止めて生クリームを入れて混ぜます。裏ごしの必要はありません。
注意!イスラム教徒、ヒンドゥー教徒はゼラチンを食べられません!
ご存じのようにイスラム教徒は飲食物のタブーがあり、ハラール認定された物しか飲食できません。ヒンドゥー教徒はヴェジタリアンも多いですし、肉食する人も牛肉は絶対ダメ(実は豚肉もダメとする人が多い)ですね。
ゼラチンは動物由来の凝固剤で牛・豚の骨・皮などからコラーゲンを抽出して作られています。よってイスラム教徒には飲食不可のハラームとなり、ヒンドゥー教徒も食べられません。
パンナコッタ液とカラメルソースが混ざりますが、置いておくと比重が違うので分かれていきます。
冷やして固まれば完成ですが、3~4時間だと柔らかい食感。15時間ぐらい冷やすとしまって濃厚な食感となります。この辺はお好みで選んでください。
ちなみに5人分としてカロリー計算をしてみたら1人前228Kcal でした。5人分ぐらいペロリと食べられそうですが、カロリー過剰ですね…できないな、残念!
よく冷やしたパンナコッタはスプーンを入れるとプリプリした弾力があり、濃厚な食感。
パンナコッタ自体はあっさりした味ですが、これがカラメルソースとからむとリッチな味わいに変化します。
こんな美味しい物が家庭で簡単にできるのは嬉しいことです。
ぜひトライしてください。あれ、ゼラチンはマレーシアで売っているのかな?
AEONとかならありそうですね。
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