クアラルンプールのラマダン(断食月)の様子を紹介する第二弾。前回はモールのハリラヤ・デコレーションを紹介しましたが、街頭や店舗も趣向を凝らしたハリラヤ飾りに彩られます。また、この時期ならではの売り物を見かけるので紹介します。
ここひと月以上に渡って撮りためていた画像がけっこう多くて、①~③になりそうです。
※ 価格は2023年4月のレート 1リンギット=¥30 で計算しています
2023 ラマダン と ハリラヤ を感じてみた①ラマダン・断食編 もご覧ください
街頭・店舗のハリラヤ飾り
トラタロウが前回ラマダンの時期にマレーシアに滞在していたのは2013年夏でした。こんなにハリラヤの装飾あったっけ? 10年前より街頭のハリラヤ装飾度が増加している気がしました。それだけ経済力が上がったのかな、物価はすごく上がったけど。
特に目にとまるのが通りで頭上に連なる、緑と黄色の市松模様の四角形。これは何だ? シッポがあるので凧? でもマレーシアの伝統凧はもっと複雑な形・色・模様だったよね。
平面的な飾りを見ると全然わかりませんでしたが、立体的な物をみると見当がついてきました。
このデザインはこの時期によく売られているクトゥパッ( Ketupat )のようです。細長い葉を編み込んで作った容器に米を入れてゆでて食べる伝統食。具なしのちまきみたい。緑色を入れるのはイスラム教で良しとされる色だからですね。
ちなみにクトゥパッは三角形のもあるけれど、三角形の装飾は見たことないです。
店舗入り口のハリラヤ装飾。アラビックな感じが人気かな。
店舗のハリラヤ飾り。
「 SELAMAT HARI RAYA 」は「ハリラヤおめでとう」というお約束のフレーズ。
ハリラヤ・キャラのハリ君(男の子)とラヤちゃん(女の子)があしらわれています。
ウソです、そんな名前ありません。でも日本だったらそんな感じになりそう(笑)
ラマダン・ビュッヘに連れてって
14時間近くの飲まず食わずの後の飲食は格別のことでしょう。当然いつもより美味しい物を食べたいと思うのは人情というものです。
ホテルなどでは一日の断食終了後にラマダン・ビュッヘを用意し、普段より財布のヒモが緩みがちなお客を迎えるのです。
ラマダン・ビュッヘはけして安くはありません。三ツ星くらいのホテルでも80リンギット(¥2400 )ぐらいします。ローカル食堂なら300円台でお腹一杯に食べられる国ではなかなかの金額。
それでも一度行ってみたいとは思うのですが、夜7:30過ぎに食べ放題は健康面でのハードルが高すぎて実現できませんでした。
ラマダン・ビュッヘでも断食終了合図があるまではオアズケ状態なのは変わりません。
そのあと沢山食べると体重増加間違いなし。ラマダン太りはありますね。
ラヤ・セール期間ならでの売り物
門松、鏡餅、お節料理といえば日本のお正月の売り物。逆にお正月シーズン以外は入手困難。同じようにラヤ・セール期間特有の売り物がありますのでまとめてみました。
ハリラヤ飾り
モールや店舗でハリラヤ・デコが行われますが、一般住宅でもやるそうです。家の外まで飾るらしいですが、一戸建てが少ないKL中心部ではまだ見たことがありません。
ハリ君・ラヤちゃん(仮称)の絵もあります。偶像崇拝を禁じるイスラム教関連の行事で人物像はダメかと思っていましたが、このレベルならOKのようです。
松明的灯りはどのタイミングで使うのかな?
一日の断食後にデーツ(ナツメヤシ)を食べるのが良いらしい。アラビアから伝わった風習ですね。乾燥気候の作物なので輸入品です。
ハリラヤのお菓子( Kuih Raya )として人気なのがクッキー類。すごく種類があるが、ひと箱25リンギット=¥750前後でけっこう高い。
日本で言えばお餅に相当するのが、ヤシの葉を編んだ容器に米を包んでゆでたクトゥパッ。南方系と北方系があるようだが、ハリラヤでは四角い物を使うみたい。
小さな紙のパックに米が包んであり、ゆでるだけでクトゥパッができるインスタント物もスーパーで山積みされています。
本物のクトゥパッ容器は細長く切ったヤシの葉で編みます。マレー系の多いチョーキット市場(普段よりも大にぎわいでした)に行ったら編んで売っていました。でも、中身は入ってないので飾り用?、または自分で入れる?
原材料のヤシの葉もありましたが、ヤシは種類がすごく多いのでどんなヤシかは不明。
街頭や市場で竹筒を焼いています。レマン( Leman )と呼ばれる竹筒飯でこれもハリラヤのごちそう。ココナッツミルクに漬け込んだもち米をバナナの葉に包んで竹筒に仕込み、じっくりと焼き上げて作ります。
ラマダン終了10日前ぐらい、ゴールが見えてくるころに新しい屋台店が出てきました。何かと思ったら花火です。トラタロウはマレー系の繁華街に住んでいるのですが、夜は花火の音が響きます。ハリラヤが近づくにつれて花火の音が増えてきます。
ラヤ・セールで様々な商品が売られていましたが、白熱するのはハリラヤで着る新調の衣装バジュラヤ( Baju Raya )でしょう。次回はこれと大晦日、新年の様子をお伝えします。
コメント
コメント一覧 (3件)
1、ラマダン、ハリラヤの飾りは日本では見られないような特別できれいな飾りは
また、奇麗な写真を見て本当に感動しました、今まで見れなかった内容で嬉しいです。
2、展示販売品も日本のお祭りでの販売品とまた違った品種で、あれもこれもめづらしく私も 買ってみたいとの衝撃を受けてしまいました。 十分楽しめて見れてありがとう。
お祭りに対応する人々の姿勢について、私の国での人々の対応とかなり異なっている感じがしますね。この国の人々は心底神を信じ又神々と一緒に行事を楽しみ、食を楽しみ、自分自身を盛り上げていく行事は本当に純粋で羨ましい限りです。このためには日常的に色々な課題を処理しながら生き抜いていく皆様の気概も感じますね。いいですね!
コメントをありがとうございます。
生け贄というと残酷なイメージですが、古来から続く神への感謝の儀式ですね。
儀式だけでなく、お供えを皆で分かち合い共同体の結束を深める意味もあると思います。
日本でもお祭りで神々に供物を捧げ、おさがりを皆でいただく習慣がありました。
供物が生きた動物である以外は同じですね。
トラタロウ