バックパッカー兼トラベル・ブロガーのトラタロウといいます。
旅行ブログの『トラベルダイアリートラタロウ』を作っていますが、2022年末よりクアラルンプールに移住しまして、姉妹ブログ『KLダイアリートラタロウ』を始めました。マレーシアは10回近く訪れていますが住むのは初めて。移住やクアラルンプールの現地生活の様子を紹介したいと思います。
この記事が初投稿になります。よろしくお願いします。
River of Life (生命の川)とは何?
クアラルンプールはマレーシアの首都にして、人口700万人を超える大都会。近年の経済発展で雨後のタケノコのように高層ビルが立ち並びます。その中心部を流れるクラン川はお世辞にもきれいな川ではありません。
しかし、ナジブ政権時代の2011年より、クラン川の中心部10kmのウォーターフロントを開発するプロジェクトが始まります。クラン川の水質浄化、商業施設の整備、観光資源の開発などを目的としたのが River of Life (生命の川)です。でも、色々あってあまり成功はしていないみたいです。
ただマスジット・ジャメ~ミッドバレーにかけて、川沿いに遊歩道が整備され、市民の憩いの場になりました。
4kmほどの遊歩道ですが、車優先社会のクアラルンプールで、自動車・バイクを気にせず活動できる貴重な空間です。
クラン川も汚い川かと思っていましたが、意外に豊かな生命が息づいており、日本では絶滅して久しい水辺にすむ哺乳類がいたのにはびっくり!
周辺の見所も簡単に紹介しながら進みます。
スタートはマスジット・ジャメから
遊歩道のスタートはマスジット・ジャメ。
1909年に建立されたクアラルンプールで最も古いモスクのひとつです。
ラピッドKL線が3本通過する同名の駅を出て少し南に行くと、クラン川越しにモスクとスルタン・アブドゥル・サマド・ビルが見えるビューポイントがあります。
その先の川の合流点のあたりから遊歩道となります。
「遊歩道での禁止事項」の下左端の「公衆の場でいちゃつくな!」、はイスラム教国らしい。
その右隣は「落書き禁止」、下右端の「物売り禁止」もどこにでも屋台が出没するマレーシアらしいですね。
クアラルンプールは1857年にスズ(錫)の採掘基地として開発された新しい街です。クアラルンプールは「泥(の川)の合流地点」と言う意味で、クラン川とゴンバック川の合流するここがKL発祥の地。Kuala(合流地点)+Lumpur(泥)という順番で違和感がありますが、マレー語は装飾される言葉が前にきます。日本人はオラン(人)ジュプン(日本)となります。
合流地点から50mほど川下に架かる橋の上がマスジッャットジャメのLookout Point。写真を撮る観光客の姿をよく見かけます。橋を渡って西側に向かえば国立繊維博物館やスルタン・アブドゥル・サマド・ビル、ムルデカ(独立)広場といったKL定番観光地に行けます。
スルタン・アブドゥル・サマド・ビルは1897年に完成した英植民地政府の庁舎でした。独立後現在の名称となり、最高裁判所が置かれています。内部の見学はできませんが、高さ41.2mの時計塔をはじめ、東西の建設文化を融合した外観は一見の価値あり。
パサール・スニ駅周辺も見所が多いのです
遊歩道は歩行者・自転車専用なので安全に使えますが、これ貴重。マレーシアは良い国ですが、超車・バイク優先社会なのが難点。特に最近はバイクが多く、KL市内でも歩道にバイクが乗り込んでくるなんて当たり前。近年、青色の自転車専用道が設定された道路もできましたが、ラッシュ時はバイクがそこを激走していたりします。
出発して400m、15分も歩かないうちにセントラルマーケットに着きます。上質なお土産物を探すならここです。ミッドバレーに着くまでここ以外トイレはありませんので注意。
パサール・スニ駅は2本のラピッドKLトレインが停まる他に市内バスの発着ターミナルがあります。また無料バス、GOKLのpurpleラインが発着。パビリオンを回って戻ってくるのでブキビンタンに行くのに便利。東側にチャイナタウンがあり、朝から晩までにぎわっています。
釣り禁止の表示がありましたが、こんな汚そうな川に魚がいるの?と疑問符。ところがパサール・スニ駅前のクラン川に魚が群れをなしているのを発見。20~30cmくらいありそうな魚がけっこうな数いました。
カンポン・アタップからは運動コース
クアラルンプール駅は1886年に建てられたKL最古の駅です。トラタロウが初めてKLに来た30年ほど前は主力駅でしたが、2001年にKLセントラルができて中心が移ります。建物は古びてはいますが、インド・イスラム様式の建物は趣があり、寄ってみる価値あり。
出発点から1.2km、20分ほど歩くとカンポン・アタップ地区。ここにある橋で遊歩道が途切れます。道路向こうの緑地帯に踏み分け道があり、それを越えると遊歩道はありますが、これは100mほど行くと終わってしまいます。
今まで遊歩道はクラン川東岸にありましたが、ここから西岸に移動するのです。橋を渡りおえたら左折して道路を横断すると西岸遊歩道の入り口があります。
ここまでは名所も多く、観光客の姿も見えました。ここからは地元民の運動コースといった感じで、ウォーキング、ジョギング、サイクリングを楽しむ人の姿が目立ちます。
出発から35分(約2.1km)でモノレール駅Tun Sambanthan 。遊歩道はここからまた東岸に移りますので、駅手前の人道橋を渡ります。逆に駅から右手に進めば、すぐKLセントラルに着きます。
速報!この先工事により一時通行不能となりました
2023年4/9(日)この道を通ろうとしたところ工事により通行不能となっていました。
DBKL(クアラルンプール区役所)
による工事の案内です。マレー語のみなので詳しくは分かりませんが、
Tempoh…期間
Mac…3月
Hingga…~まで
Jun…6月
とポイントのマレー語だけひろってみると
6/15まで工事のようです。
当分この区間は迂回路を通ることにしました。ブリックフィールズの住宅街を通るだけなので簡単です。下記地図の赤マーカーが従来の通路、緑マーカーが迂回路になります。
迂回路はそんなに自動車通行量は多くないと感じました(日曜だからかも)が、事故に注意してください。
マレーシア人の死亡理由の第5位が交通事故だそうです。恐ろしい数字ですね。
ここからが生物発見ポイント
モノレール駅Tun Sambanthan を過ぎても両岸は護岸工事された状態。でもトラタロウの経験ではここから生物の発見率が高くなります。水面と陸地の高さが少し低くなっているためか?
時々陸地も見ながら進んでください。
遊歩道はミッドバレーに向かう自動車道 Jin Syed Putra 沿いに続きます。途中にある歩道橋で自動車道を越えるとクアラルンプール最大の仏教寺院である天后宮(Thean Hoo Temple)にも寄れます。
釣りをしたり、網を仕掛けて魚を獲ろうとする地元民がいました。トラタロウもコロナで海外旅行を自粛していた時に釣りにはまったので、釣り心がうずきます。でもここの魚食べられるの?
おっ、巨大生物発見です。
コンクリートに覆われた両岸の地面を見ながら行くといました。大物です。
巨大なミズオオトカゲがいました。東南アジア全域に広く生息しているトカゲで、コモドドラゴンに次いででかいのです。最大クラスは体長250cm、体重25kgにもなるとか。肉食で死骸から残飯まで何でもたべます。
皮製品、食用、薬用(脂肪)に利用されるため捕獲されますし、ペットにする人もいるとか。
いくらでかくてもミズオオトカゲは東南アジアでは希少でも珍しくもありません。希少生物は次の写真。岸辺で黒い生物が泳いでいたので、ミズオオトカゲかと思ったら哺乳類でした。
3~4頭の群れが魚を追って泳ぎまわっていました。すごく動きが速い。頭を出しても一瞬で潜ってしまいます。とても狙って撮れないため、沢山撮って使えそうののがやっと3枚。
どうもカワウソ(川獺)に見えます。イタチにしては大きすぎる。トラタロウの子供のころには、日本にも生息していましたが、2012年に絶滅宣言がでました。
スマトラカワウソのようですが、熱帯雨林の川ならまだしも大都会の汚い川にカワウソがいるなんてマレーシアすごすぎる。途中で見た川の生物を描いた壁画にカワウソも描かれていましたが、今も生息している生物を描いていたんだ。
もうすぐゴールのミッドバレーです
遊歩道はクラン川東岸になり、自動車道に沿ってすすみます。木陰もあっていい感じの道ですが、自動車道の騒音は無視しましょう。
橋を渡って左折、道路を横断すれば遊歩道西岸に入ります。
また、橋を渡ってさらに100mほど直進、大通りにぶつかりますので右折して200m行くと、インド人街ブリックフィールズになります。インド料理を食べていくのも一興。
クラン川はまだ続きますが遊歩道はここまでで、川沿いにはもう進めません。ゴールにある白っぽい建物にはトイレも休息所もありませんが、ゴールから徒歩7~8分でメガモールに行けます。
おつかれさまでした。歩き足りない方は徒歩でマスジット・ジャメ戻ってもよいですね。LRTで戻る場合はThe Gardens Mall から連絡通路でKL Eco City に行くとAbdullah Hukum 駅に着きます。ケラナジャヤ・ラインですのでGombak方面4駅目がマスジット・ジャメです。
※ この連絡通路ができて本当によかった。昔はMid Valley 駅でいつ来るともわからないKTMを待っていました。
コメント
コメント一覧 (1件)
クラン川沿いの遊歩道いいね!、市民の憩いの場として大変素晴らしいと感じました。 出発点で最も古いモスクが見え、その他各所に建造物のビューポイントがあります。 水辺にすむ魚類、哺乳類を眺めて、駅が近くて、郵便局、博物館等々も近くにあり大変便利な場所なのかな。 近くの観光地なども楽しめそうですね、夜も幻想的な雰囲気がいいです。 昼夜の安全性が確保できれば本当に良いところだと感じました。 以上