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日本種サツマイモでスウィートポテトを作ってみた

スウィートポテト完成、左の2つは生タイプ


 日本では時期によって出回る菓子素材が変わったり、季節ごとのシーズンお菓子があります。在日時代は11月ともなればサツマイモのお菓子を毎年大量に作っていました。
 クアラルンプール市内のスーパーで日本種(日本産ではありません)のサツマイモを見つけたので、スウィートポテトを作ってみます。Sweet Potato はサツマイモを意味しますが、お菓子のスウィートポテトは日本発祥だそうです。

日本種のサツマイモ発見です

日本種
産地不明、細い物が多い、でも安い

 先日某スーパーで JAPANESE SWEET POTATO なる看板を発見。中国語だと「日本番薯」と呼ぶらしい。ただ日本種ではあるが、日本からの輸入品ではなさそうです。
 大概の日本食品がそろうクアラルンプールなので、日本産のサツマイモも見たことがありますがとても高価で買えません。
 

日本産
鹿児島産サツマイモ高いぞ
紫イモ
紫イモは大きくて安いが…

 昨年ブキビンタンの伊勢丹で日本産サツマイモを見つけましたが、1キロほどの袋で28リンギッと千円以上するので買うのは断念。
 代わりになかなか大きな紫イモを見つけたのでこれでスウィートポテトを試作。でも焼いても全然甘くないんですこれ。砂糖・生クリーム・バターの力技で食べられる物はできましたが、創作意欲が尽きました。日本種サツマイモなら大丈夫かな?

紫イモ2
紫イモのスウィートポテト

スウィートポテトの作り方

焼き芋
太いサツマイモを選びました

 スウィートポテトはまず焼き芋作りから始まります。蒸したり電子レンジでもできますが、オーブンで焼いた方が甘味がでます。
 低温でじっくり焼くと甘味がでるので180度で50分ほどかけて焼きました。オーブンで焼いた場合、皮がかなり固くなって身が少なくなるので細いイモはダメ。1.2キロのイモを焼いて使える身は550gしかありませんでした。

焼き芋2
焼け上がりを切ってみた

 焼き芋を切ってみたら「う~ん」という感想。あまり断面がきれいではありません、日本だとハズレ判定ですね。でも食べてみると現地の紫イモよりは甘味があるので使えそうです。
 これを裏ごしにかけます。つぶすだけではイモの繊維が残るので裏ごしは必須ですが、これが一番大変な作業。以前は4キロ以上のイモを処理していたので、ヘラに体重をかけて裏ごせる業務用大型裏ごし器を使っていました。でも移住の時に処分したからありません。
 

裏ごし1
小さい裏ごし器は力がいります
裏ごし2
裏ごし完了です

 ※ サツマイモを焼かずに蒸す、裏ごしをせずにつぶすだけ。これでも作れますが味・食感はかなり落ちます。その代わり子供でも作れます。

原材料
バター、砂糖、ココナッツミルクを投入

 この後の作業は簡単。バター、砂糖、生クリームを裏ごしイモに混ぜて加熱・練ります。
 ただマレーシアは生クリームが高い。日本も高いですがホイップクリームなどと呼ばれる植物性生クリーム(バターに対するマーガリンみたいな存在)が安価で十分使えました。
 裏ごしイモ550gに200㏄の生クリームは多すぎる。マレーシアで安いココナッツミルクとそのパウダーで代用してみます。

ペースト
なんだか色が緑っぽいな

 鍋に材料を入れて加熱し、液状になったら裏ごしイモを入れて中火で5分ほど練ります。
 一度火を止めて卵黄3ヶを入れ混ぜたら、また中火で練ります。日本では気にしなくて良いのですが、マレーシアの卵は生食できませんので、5分以上は加熱して殺菌が必要。こうしないと焼きスウィートポテトはOKですが、生スウィートポテトはできません。
※ サルモネラ菌は60度以上の加熱で殺菌できます。
 

   TKG(卵かけご飯)は世界の奇食
 日本ではそれ専用の卵やお醤油まで売られているTKGですが、世界的には卵を生で食べるというのは異常な行為です。卵黄だけならエッグノック(洋風卵酒?)やタルタルステーキなどヨーロッパでも例がありますが全卵の生食はまずありません。
 理由は鶏卵がサルモネラ菌などで汚染されているからです。『銀の匙』という農業漫画を読んでトラタロウも知ったのですが、鶏の卵が出る場所と排泄は同じ場所(総排出腔といいます)。つまり鶏卵はウンコだらけです。
 日本の卵が生食できるのは洗浄・殺菌を徹底しているからで、他の国々はそこまでやりません。実際マレーシアで売られている鶏卵には、洗浄が不十分なため糞のカケラが残っている物が見られます。一部高級スーパーには生食可の鶏卵もあるようですが、それ以外はダメです。
 ちなみに江戸時代に鶏卵は「ものすごく精力がつく食品」と信じられていました。量産もできないため現在の貨幣価値だと1ヶ500円くらいで売られており高級滋養強壮剤扱いです。このため昭和の中頃まで病気見舞いに卵を持っていく習慣がありました。

クッキー生地
クッキー生地で土台を作る

 無くても良いのですが、冷凍保存のクッキー生地が余っていたので、丸く抜いてスウィートポテトの土台にします。また生スウィートポテトを盛るため2つだけマドレーヌ型でケースを焼きました。
 クッキー生地の上にアイスクリームデッシャーで生スウィートポテトを盛ります。ひと盛り65gありました。
 表面に溶いた卵黄を塗れば準備OK。ゴマを振りたいがKLでまだ見つけていません。

 生スウィートポテトを盛る前に柔らかさを確認。固いようでしたら水か牛乳を入れて調整してください。固すぎると美味しくありません。

形成
土台には膨張防止の小穴
ドリュール
表面には卵黄を塗ります
ケースには粒アルミの重しをのせる
焼き
220度で20~25分、焼き色で判断

 だいたい12ヶ分作れました
・サツマイモ1.2kg(8.5RM=¥298)
・バター110g(7RM=¥245)
・砂糖160g(0.5RM=¥18)
・ココナッツミルク65mm(1.5RM=¥53)
・ 〃  パウダー50g(0.8RM=¥28)
・卵黄4ヶ(1.6RM=¥56)
計19.9RM=¥696÷12=lヶあたり¥58
※ RMはマレーシア通貨リンギッの略
  1RM=¥35で計算

※ 土台のクッキー生地は1ヶ10gほど使用で¥7ほど。これを入れると1ヶあたりのコストは¥65で、出来上がり量70gほどです。

完成品
焼き上がりました

 生クリームの代わりにココナッツミルクを使ったスウィートポテトでしたが、コクが出て十分美味しくできました。もう少しサツマイモの質が良ければさらに美味しくできますね。
 同じレシピでスウィートパンプキンもできるのですがマレーシアでは無理かな? こちらで売っているカボチャはあまりデンプン質で無いので向きません。

カボチャ
見た目は同じだが全然ホクホク
していないマレーシアのカボチャ

 日本で販売されているスウィートポテトは小さいのに高いですよね。でも作ってみると納得。原材料が高いし裏ごしの手間も大変ですから。
 でも作ってしまえばペーストを冷凍保存できますし、完成品も冷凍したものをレンチンすればすぐに食べられて便利です。

 シンガポールのドンキでは焼き芋が大ヒットらしい。マレーシアはどうなのかな?

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